連れ出しませう?

□26話目
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 アナタSIDE





「やっと、だな」





カオスが雷門に宣戦布告してから2日

父さんへ、今日ジェネシスを決めることを報告していたら遅くなってしまった

もう始まっているであろう試合を想像しながらレーゼが待つグランドへと向かう





「あ、ロディー!報告終わったの?」

「でなければここにいない」

「たしかにそうだね!…今日真の"ジェネシス"について話すの?」

「あぁ、もう引き伸ばしにはできないからな」

「これでロディーの誤解も解けるんだね!」

「私としてはこのままでもいいんだがな」

「……俺も違う意味ではそれがいい!」

「は?」

「何でもないよ!じゃあ行こう!」































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「あーあ、やっぱり始まってるね」

「まあ仕方ないだろ」





点差は10ー1でちょうど前半終了

なんかカオスの弱点が分かったとかで雷門は騒いでる


一方カオスの方は、ただ冷めてる

チームは分かれてるし、協力する気が全くないみたいだ

まあどうなるか見物だな




 ピーッ




それから後半が始まって………、…とりあえずキレそうになった

予想通りカオスは割れ、そこに雷門がつけはいる

点差は縮まるばかりだ





「…………やっぱりジェネシス外すか」

「ちょっ??!今までのロディーの苦労が水の泡じゃん!!?」

「だって、なぁ?」

「そこは抑えて!!!?」





ちょうど後半に入って5点入れられた時、バーンとガゼルがやっと気付いたらしい

遅すぎるだろバカ共が


円堂に6点目を入れられた

ホイッスルと同時にバーンとガゼルは目配せをし、一緒に上がっていった

カオスのメンバーはただ目を見開き、雷門は止めようとするも2人の連携に止められない

そしてゴールの前で2人は高く飛んだ

互いの名前を呼び合い、連携必殺技"ファイアブリザード"を繰り出す

立向居は止めようとしたが、ゴールネットに叩き付けられた




 ピピーッ





「私たちはなんてバカな事をしていたんだ……!」

「バーン様たちが協力してるのに…!!」





その2人のシュートの影響は大きかった

ほかのカオスのメンバーたちの目を覚まさせ、さっきとは違い格段に良くなった





「……ハッ、やっぱり前言撤回。十分合格点だ」

「それは良かった!ならもうこの試合に意味は無いね!」

「あぁ。…いくか」

「了解!」





レーゼの返事を聞いてから足元に準備していた、ジェネシス専用の黒と銀のボールを、上がってこうとしているアフロディーとカットしようとしているボンバの間に思いっ切り蹴る

そうすればグランドは簡単に土埃に包まれた

そしてボールが落ちたであろう場所に、降り立つ

土埃で周りがよく見えないからかギャーギャー煩い





「…帰るぞお前ら」

「「「「!!」」」」





カオスのメンバーは声で分かったのか、一瞬にして声が止み肩を震わせたのが空気で分かった

そしてだんだん土埃が晴れてきて、視界がクリアになってくる





「「「「!紗奈/ちゃん!!!!」」」」





…増えてないか?

横目で声のした方向を軽く見れば兄貴たちもベンチにいた

あぁ、帝国だったな


私は雷門の方に向き合い、軽く礼する





「…我が学園の者がご迷惑をおかけいたしました」

「ふざけんな!!俺らはお前をジェネシスの座から…!!!!」

「ヒロトが…、ジェネシスじゃなかったのか……?!」

「…あぁ。申し遅れました、私がジェネシスキャプテン、ロディーと申します。以後お見知りおきを」

「な"っ……?!」

「何のようだ!?我々はお前を…!!」

「それさっきも聞いたよ、ガゼル」

「……レーゼ、」

「あ、ごめん」

「「「「……レーゼ?」」」」

「こっちが素なんでよろしk「煩い」…はーい」

「私たちはお前らを迎えにきた、それだけだ」

「ほら帰るよ〜」

「!!まっ待て!」

「!ロディーに触れんな!!!!」





いつのまにか私に寄ってきてた兄貴

そして私の肩に触れた瞬間、レーゼが側に落ちてたボールを兄貴の腹に叩き込んだ

同情はしないが、今のお前の脚力分かってるかコイツ?

だいぶいい音鳴ったし、目がマジだったからな





「!!!ぐ、はっ………!」

「「「「源田/くん!!!!!」」」」





うずくまる兄貴をチラと見てから、目を見開いてこちらを見ている瞳子姉さんに向きを変える

そうすれば、更に目を見開かせた





「……そうそう。"雷門の監督サン"、今乗り込んでくるのはあまりお勧めいたしませんよ。
今来られた場合私が直々に相手に…いやいつ来ても同じか。…近付いた時点で攻撃されたと見なし、こちらからも"攻撃"させて頂きます
…まぁそれだけは分かっておくんだな」

「「「「!!?」」」」





急に変わった私の話し方に、驚愕の視線を向けてくる

仕方ないだろ、あの話し方は好きじゃないんだ





「…まぁカオスが抜けてたとはいえ、点数を取れたことは褒めてやる。だがその程度で調子乗ってもらっちゃ困るんだ、コイツらなど下っ端なんだからな
まぁ次逢うときまでには骨のある奴になっておいてくれよ?じゃあな、"弱小イレブンさん"」





私はまたボールを蹴った


































気づいた?

(お前らはあの日から何も変わっていない)





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