連れ出しませう?

□25話目
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 アナタside





ガゼルの試合は最初こそ簡単に勝てるかと思われた

調子に乗り、ゴールまでの道を開けてたりしてたな


だがそう上手くはいかなかった

途中雷門のFWの浦部が足を負傷したが、なぜかここで世宇子だったアフロディーが登場

こっちとしては一瞬焦ったが、FWとしてまだ信じられないみたいでFWが1人みたいなものだった

けど綱海ってやつがアフロディーにパスして1点先取

あー、調子乗ってるからだ、バーカ





「調子乗ってたからだよねー」

「…私と同じことを考えるな」

「え、超理不尽じゃない?」





それからガゼルがなにやらキレたらしく一瞬でノーザンインパクトを決めた

そこで前半終了

ダイヤモンドダストのメンバーの顔は明らかに暗い

まあ当たり前だな、私たちにとって"同点は敗北と同じ"だったのだから

ここで追放がなしになったと言えばアイツらは一体どんな顔をするんだろう


ガゼルがフラフラとした足取りである場所へと向かっていく

私もレーゼに目配せしてからガゼルの向かった場所へと向かう

するとそこには両方少し違う赤色が2人いた





「おいおい、こんなんで勝てんのかよ……」

「たしかにね」

「ッダイヤモンドダストの名にかけて…!!!」


「同点は敗北と同じ、だろ?」


「「「?!」」」

「ロディーとレーゼ……、」

「ロディーたちも観戦?」

「……」

「…まあそんなところだ」





私が急に入れば、皆各々の反応を示した

悲しそうな、怒ったような表情をしたガゼル

笑顔で話しかけてきたグラン

あからさまに目線を反らしたバーン





「…油断するから悪いんだ」

「っ、」

「まぁまぁ、ガゼルも気にしてるんだからそんな毒吐かないの」

「自業自得だろ」

「ッテメェ!!!!」

「…レーゼ、」





また殴りかかってこようとしたバーン

私が名前を呼べば、レーゼが一瞬にしてバーンの腕をとり、床に叩きつける

痛そうだなんて考えることはない

ただ見下すだけ

…ぁ、鼻血出てるし

バーンは気にすることなく私をただ睨んでる

レーゼも容赦ないな





「!バーンっ」

「ごめん、つい本気になっちゃった」

「っどきやがれ!!!」

「あ、」





バーンは手が緩んだらしいレーゼを無理矢理自分の上からどかせ、どこかに走っていった

グランは引き留めようと手を伸ばしていたが、見事に空を切った

レーゼは尻餅をついたままポカンとした表情でバーンが走っていった方向を見つめている





「立て、レーゼ。カッコ悪いぞ」

「!え、あ、ごめん、ありがと……」

「ちょっとレーゼ、やりすぎだよ」

「は?」

「え?」

「じゃあグランはロディーが傷ついていいと思ってるわけ?ねえ思ってるの?大好きな大好きなロディーが傷ついてもいいの?ねえ?」

「すみませんっした!!!!!!!」

「……もう少しプライドというものを持て、グラン」

「そんなすぐに土下座すんなよ。てか超寒気したんだけど私だけなのか?」


「ガゼル様、もう後半が始まります!!……ぁ、グラン様、……ロディー、さま………」

「……あぁ、今行く」





クララがガゼルを呼びに来た

私たちを見た瞬間目を泳がせたのが分かった

レーゼが横でえ、俺は?なんてほざいてるけど知らない


すれ違い様に私はガゼルの耳元で小声で囁く





「…まぁ頑張れよ?」

「!!あっあぁ…!」





ガゼルは一瞬にして顔を赤くしながらクララの後をついていった

…そんなにこそばかったか?





「(……なんか蹴るものないかな)」

「(お願いだからやめて??!)」






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