連れ出しませう?

□10話目
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「ヒマだ、ヒマすぎる………」




いまロディーは自室にいた

星次郎の言う通り休んでいたようなのだが、ヒマになってきたらしい

ベッドに仰向けで寝転んでいたのだが、勢い良く起き上がる




「…先に北海道にでも行って偵察でもしておくか」




ロディーは軽く欠伸をしながら自室を出た






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次にロディーがいたのはガイアの練習場だった

グランドに着いたロディーは周りの視線お構いなしに真っ先にグランの元へと向かった




「ロディー?」

「北海道で任務だ。私は先に向かうが、お前は後から来い」

「えっ…?俺も行くよ!」

「……好きにしろ」

「(あれ?いつもだったら『後で来いと言っただろう』とか言って俺を連れてかないのに…)」

「早く行くぞ」

「あっ、うん!じゃあ皆は必殺技の練習しておいて!」




ダンッ




辺りは眩い光に包まれた






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場所が変わり北海道

エイリア学園生の姿ではなく、いま紗奈たちは元の姿に戻っていた

そして2人はどうやら、白恋中の近くにある雑木林みたいな所にいるようだ




「あれが白恋中か…」

「寒っ!」

「北海道だからな」


「あれ…、君たち見ない顔だね」


「「!?」」




背後から急に声がかかり、2人は肩を震わせる

急いで振り向くと、そこには人が良さそうな笑みを浮かべた真っ白い少年がいた




「このへんの子?」

「いっ、いや……!」

「旅行だ。少し道に迷ってな」




返答に困っていたヒロトに、紗奈が冷静に答えた




「あぁ、この辺は迷いやすいからね!ボクは吹雪士郎、よろしくね」

「!吹雪か
(たしかエージェントの報告によると雷門はコイツをスカウトしに来るんだよな…)」




吹雪士郎の名前に、紗奈は反応を示した

どうやら報告書で見覚えがあったらしい




「私は源田紗奈だ、よろしくな」

「ボクは基山ヒロトだよ、よろしく」

「紗奈ちゃんとヒロトくんかぁ…。よろしくね!」




そう言い、吹雪が背を向けた瞬間、ヒロトが小声で話しかける



「…名前言って良かったの?」

「明らかにおかしいからな、仕方ないだろう。お前こそ良かったのか?」

「ボクはそういうの気にしないからね!」


「どうしたの?」

「…何でもない、気にしないでくれ」

「?うん。2人は兄妹?にしては似てないよね」

「いやこいびt「知り合いだ」ヒドくない?」

「へぇ…(安心、してる…?)」

「…ぁ、そろそろ父さんの所に行かないと、っ紗奈!」

「?あぁ、そうだな」

「(エイリアネームで呼び慣れてるから間違いそうになっちゃった…)」

「もう帰っちゃうの…?」

「あぁ。しかし、またここには来る予定だ」

「!そっか!」

「じゃあね、吹雪くん」

「じゃあな」

「ばいばい、またね!」



2人がボールを蹴るために茂みの方へ消える




「…すごく心臓がうるさいや。どうしたんだろう、ボク…」

『あの女に惚れたか?』

「!ちっ、ちがうよ!」

『へェー……?』

「…ボクにはまだ分かんないよ。でも紗奈ちゃんを見た瞬間から顔も熱いし、心臓が締め付けられてるみたいに苦しいんだ…」

『それを《一目惚れ》っつーんだよ』

「そう、なの…?…ボク紗奈ちゃんに恋したんだね」

『あぁ、ガンバれよ』

「ありがとう、敦也!…さっ、大雪原にでも行こうかな!」




吹雪は嬉しそうにマフラーを握りしめながら、大雪原の方へと向かった





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