連れ出しませう?

□8話目
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「ただいま戻りました、父さん」




ロディーとバーンは報告のために星次郎の部屋にいた




「おかえりなさい。帰って早々悪いのですが、ロディーはもう一度奈良へ行きジェミニストームの試合を見に行きなさい」

「…そういうコトは先に言っていただけると嬉しいです」

「次からはそうします。お供を忘れてはいけませんよ?」

「…はい」

「バーンは少し残ってください」

「?あぁ」

「では私は失礼します」




ロディーが部屋から去る

バーンは何故自分が残らされたのか分からず少し戸惑っているようだ




「父さん、何で俺を残したんだ?」

「聞きたいコトがあったのです。…任務中ロディーについて、変わったコトなどはありませんでしたか?」

「?別になかったぜ」

「そうですか…。では下がっていいですよ」

「おぉ」




その質問内容に、バーンはあからさま不思議そうな顔をしている

しかしそのまま星次郎の部屋を立ち去った






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場所は変わり、今ロディーは奈良にいた

星次郎の部屋から去ったロディーはダイヤモンドダストの練習場へ行き、バーンと同じような形でガゼルに任務の内容を伝えた

そしてそのまま奈良に行ったようだ

ダイヤモンドダストでも好奇の目で見られた様で、ロディーは少し不機嫌そうだ




「始まったばかりのようだな」


「はぁッ…!」

「ぇ、」




開始早々ディアムの一蹴りで1点が入る

円堂は動く暇もなかったようだ




「…まだこの程度か」

「この短時間だ、仕方ないだろうな」

「そんなものか?」

「あぁ」




次にロディーたちが試合を見た時には、すでに13点差だった

しかしどうにかボールを繋いだのか、ボールは豪炎寺に渡る




「ファイアー…」




豪炎寺はファイアトルネードを撃とうと高く跳ねるが、ある一点を見た瞬間明らかに動揺する

しかし体勢を立て直し、そのままファイアトルネードを撃ちはなった

だが豪炎寺の放ったファイアトルネードはゴールから大きく逸れ、どこかへ飛んでいってしまう




「「?!」」

「なんだぁ、このシュートは?」

「どっどうしたんだ豪炎寺…?!」

「…すまない」


「軌道が大きく逸れたぞ、どうしたんだ?」

「…」




ロディーはガゼルの言葉を無視し、先程豪炎寺が見ていたある一点をただ見つめる


試合はジェミニストームボールで始まるが、鬼道がスライディングでカットする




「風丸、上がれ!!」

「!そうか!」




鬼道の意味するコトが分かったのか、風丸は上がっていく

途中ジェミニストームがカットしようとするが、そこはロディーが睨みを効かし、止めさせた




「豪炎寺!」

「あぁ!」

「「炎の…」」

「!」




飛び上がった瞬間、豪炎寺がまたある一点を見て瞳を揺るがせる




「「風見鶏!!」」

「!またかよ…」

「また…、外した…?」




またもや大きく軌道が逸れたシュートに、さすがに円堂も動揺しているようだ

しかしロディーは正反対に、先程の一点をただ睨みつけている

そんなロディーに気付いたガゼルは不思議に思い、問いかけてみた




「…ロディー、どうしたんだ?」

「ちょっと行ってくる」

「は…?!」

「すぐ戻るからな」

「おいっ…!!」




ガゼルの静止の声も聞かず、ロディーは見ていた屋上から飛び降りる

その後ろ姿を見ながらガゼルは諦めたように溜め息をはいた





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