連れ出しませう?

□5話目
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源田side_





ガラッ




「「…」」




鬼道が出て行った後、俺たちはお互い何も話さなかった

当たり前だろ?

何て言えばいいのか本気で分からない

しかしその沈黙を破ったのは意外にも佐久間だった




「…なぁ源田、お前はどう思う…?」

「なにがだ?」

「鬼道さんが言ってた奴がホントに紗奈かってこと」

「どうなんだろうな…」

「…じゃあ質問を変える。源田は紗奈は生きててほしいって思うか?」

「!当たり前だろ…!?」




何度生きていてほしいと願ったか

何度会いたいと願ったか

何度紗奈のために涙を流したか

きっと星の数ほどに決まってる


それぐらい紗奈は大切だったんだ




「お前はどうなんだ?」




俺が佐久間にそう問うと、佐久間は少し驚いたように、そしてとても悲しそうに笑った

そして俺にこう答えた




「はは、もちろんお前と一緒だよ。…やっぱりそう簡単に忘れられないんだ、…だって初恋だぜ?
そりゃ何度も忘れようとしたさ!でもその度に紗奈のあの笑顔が頭に浮かんでくるんだよ…!
生きてるんなら会いたい…会いたいさ…!!」




佐久間…、お前は気づいてないみたいだったケド最後らへんお前泣いてたんだぜ?

スゴく悲しそうな顔してさ


俺はそんな佐久間になんて言えばいいのか分からなくて、つい押し黙ってしまう

その時タイミング良く看護士さんが部屋に入ってきた




「2人共、リハビリの時間よ!」

「あっはい!」

「じゃあリハビリステーションで待ってるわね?」




看護士さんは今の俺たちの空気に気を使ってくれたのか、足早に部屋を去っていく




「…佐久間、大丈夫か…?」

「大丈夫に決まってるだろ!ほら、早く行くぜ?」

「あっあぁ」

「…もしそれが紗奈だとしたら俺たちはこんな所で止まってるわけにいかないじゃないか!早くリハビリして元気になって正体を暴いてやろうぜ!」

「!あぁ!」




佐久間はベッドの側に立てかけてあった松葉杖で立ち上がる

俺も慌てて車椅子に飛び乗った



でも紗奈、どうしてエイリア学園なんかにいるんだ?

どうして生きてたんなら会いに来てくれなかったんだ?

…分からないことだらけだな




「源田?どうしたんだボーッとして…」

「いっいやなんでもない!」

「?そうか…?なら行くか!」





少年Kの考察

(それが全て正しかったなんて)
(まだキミたちは知らない)




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