連れ出しませう?
□4話目
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傘美野中のグランドに、ジェミニストームとイナズマイレブンがフォーメーションにつく
鬼道はじっとロディーを見つめているが、ロディーはそれに気づかないふりをしているのか、一度も鬼道を見なかった
現在ジェミニストームはディアムを下がらせ、リームを抜いたロディーとレーゼの2トップである
イナズマイレブンは豪炎寺の帰りを今か今かと待っているようだ
しかしそんな中試合開始のホイッスルが鳴り響く
ピーッ
ボールは雷門から
FWである染岡が一気に攻め込んでくる
そして開始早々ドラゴンクラッシュを放つが、レーゼは軽くそれをトラップし、ボレーシュートであっさり1点を奪う
その事実にイナズマイレブンのメンバーは驚きを隠せずにいるようだ
その様子を見ながらロディーはふと考える
「(遅い…。なんだこの遅さは?ジェミニストームより遅いじゃないか。期待外れだ…)」
そんな事を考えていると、いつのまにか12ー0にまで点数差は開いていた
どうやらイナズマイレブンメンバーに怪我人が出たようで、円堂たちは慌てて肩を貸す
するとその時、グランドに声が響いた
「待たせたな!」
「豪炎寺…!!」
「豪炎寺……?」
「…イナズマイレブンのエースストライカーだ、レーゼ」
「あぁ、資料にそんな奴いたね」
「希望を打ち砕いてしまえ」
「もちろん」
ピーッ
ホイッスルと同時に円堂と豪炎寺が駆け上がる
そしてそのまま2人はイナズマブレイクを放つ
真っすぐにゴールへと向かっていくが、キーパーのゴルレオは動く気配は全くない
その行動に、イナズマイレブンメンバーは1点獲得を確信したが、その様子を見たロディーはニヒルと笑みを浮かべる
そしてゴール前に一瞬で移動し、軽く胸辺りでトラップしてみせる
その行動に、イナズマイレブンメンバーは目を見開くことしかできない
「「?!」」
「…このシュート、正直言ってコイツらのパスより弱いよ?シュートっていうのはさ…こう打つんだっての…!!!!」
ロディーはその言葉と共に、トラップしたボールを向かい側のゴールに向かって撃つ
途中何度かイナズマイレブンメンバーは止めようとたちはばかるが、ボールのあまりにも強い風圧に吹き飛ばされる
「マジン・ザ・ハンド…!!…くっ…、…ぐわぁっ…!!」
円堂は止めようとマジン・ザ・ハンドを繰り出すが、いとも簡単に打ち砕かれ、ゴールに叩きつけられる
ピピーッ
「ゴール………」
「…ロディー?」
「飽きた」
「は、」
「お前等弱すぎだよ、ホント。おかげでやる気失せたぐらい」
「お前、失礼じゃないか…!」
ロディーの突き刺すような言葉に、円堂は苦しながらも反論する
「なら立ってみてよ」
「!ぐっ……っ!」
ロディーの言葉に、円堂は眉間にしわを寄せる
腕に力を入れるが、立ち上がることができないのだ
円堂以外も同じで、先程のロディーのシュートやそれまでの疲労などで力が入らないようだ
「日本一が聞いて呆れるよね。…レーゼ、やって」
「はっ!」
レーゼはその言葉を待っていたかのように、足元に転がってきたボールで校舎に破壊し始める
傘美野中の生徒たちはそれをただ叫ぶことなく見ていることしかできない
イナズマイレブンメンバーもただ下唇を噛み締めた
「…帰るぞ」
「はっ!」
ロディーは自分のサッカーボールを地面に置く
蹴ろうと構えた時、レーゼはイナズマイレブンメンバー…、鬼道の方をキッと睨み、小さく呟く
「鬼道、わたしたちはお前らを許さない…!」
「じゃあまたね、弱小イレブンさん」
ロディーはボールを蹴った
ボールから放たれる眩い光にイナズマイレブンメンバーたちは思わず目を背ける
そして再び目線をもどした時にはロディーたちはいなかった