連れ出しませう?
□10話目
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「私が父さんに呼ばれたのは知ってるよね…?」
ロディーの言葉に4人は頷く
それを見て、ロディーは視線をレーゼからもらったネックレスに落としながら話し始めた
「…母さんは私を死んだことにしてたみたいなんだよね」
「「?!」」
「父さんからさっき聞いたんだ!私を捨てただけじゃなくて私の事を死んだことにして……、怒りを通り越して呆れちゃうよね!噂じゃ兄さんにも言ってないみたいだし。それでつい思い出しちゃって、兄さんの事とかいろいろ、さ……」
ネックレスを寂しげに見つめていたロディーだが、話し終えると視線を4人に戻した
「私、ずっと母さんに言われてた。『兄さんは私を嫌ってる』って
その時の事を急に思い出したんだ。…それで、兄さんは私をどう想ってくれてたのかなって考え出したら止まらなくなっちゃって!私、昔から一回考え出したら答えが分かるまで諦められないって癖があるからさ!」
「ロディー……、」
明らかに辛い筈なのに無理して笑い、明るく振る舞おうとするロディーに、4人の心は痛んだ
「それで父さんに言われたの!『そんなに気になるなら会ってきなさい』って!
…でも兄さんに会えるのは本当に嬉しいけど、どんな顔して会えばいいか全く分かんなくて…!
…どう?馬鹿馬鹿しすぎて呆れちゃうでしょ?心配かけてごめんね」
ここまできて、黙っていた筈のバーンが急に口を開いた
「馬鹿馬鹿しくなんかねェだろ…」
「ぇ…?」
「家族の事で悩んで何が悪いんだよ!!?てか家族に会いに行くだけなのにどういう顔で会えばいいかとか考えんじゃねェよ!!!ただ笑顔で会えばいいだけの話だろうが!!!!」
「そうそう!ロディーは笑ってなきゃダメだよ!」
「それにロディーを嫌いなわけがないからな」
「大丈夫、兄貴はきっとロディーの味方だよ」
「あり、がとね……。……私、今から兄さんに会いに行ってくるよ!…本当に大丈夫だよね?」
「何回も言わすんじゃねェよ!大丈夫だっつってんだろ!?」
「!うんっ…!」
「俺たちを信じろっつの!!」
心配げなロディーに、バーンは気合いを入れるためか、ロディーの背中を叩く
それがあまりにも痛かったのか、若干ロディーは涙目になりながらも話を続ける
「いだっ!!!…じゃあ皆も付いてきてくれない…?1人じゃさすがに心細い」
「いっいいのか…?」
ロディーの言葉に4人は驚いているようだ
風介も思わず聞き返している
「もちろん!じゃあ今から行こう!」
「「「「ぇ"?」」」」
「レッツゴー!!」
勢いよくロディーは立ち上がると、枕元に置いてあった黒と銀のサッカーボールを手に取る
4人の驚く声をロディーは聞こえていないのか、はたまた無視しているだけなのかは知らないが、そのままボールを蹴った
「「は/うわっ!?」」
スゴい光が部屋の中を覆った
数秒後、光がおさまりだした時にはすでに部屋の中に5人の姿はなかった
思い立ったら即行動(俺室内着なんだけど!?)
(俺なんてまだワックスベタベタだよ!!)
(…あはは)