SHORT

□I LOVE YOU
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「―…じゃあ失礼しますね」


「それでは、鬼灯様、なまえさん」


「なまえちゃん以外二度と来んなっ!」


「ほあちゃっ!!」


「あべしっ!!!」





白澤さんの一言に、道の小石を投げる鬼灯さんは少し子供を思わせる


あれから、ヒートアップする2人を桃太郎さんとなんとか止めた

極楽満月は全壊しかけ(主に最初の一撃で)で、とりあえず私は2人の手当てをした

特に、白澤さんはスゴい怪我で、神獣じゃなかったら死んでただろってくらい

そして全てが終わってお店を出れば、お月様が輝く時刻にまでなってた





「…いろいろすみませんでしたね、手当てから何から何まで」


「いやお気になさらないでください、部下の務めです」


「いい部下を持ったようですね」




カラン コロン





下駄の音だけがただ耳に入る





「……鬼灯様、」


「なんですか?」


「…私は莫迦だし、鈍いし、ミスもするし、…正直私などが鬼灯様の助手でいいのか分かりません。あ、決して鬼灯様が嫌いだということではありませんので…!」


「アナタは中々いい助手だと思っていますよ。多々ミスはありますが、書類整理などが早いですし、アナタの突拍子のない意見が新しいアイデアに繋がることもありますしね」


「しかし…!」


「アナタはいいものを持っています、自信を持ちなさい」





あの見惚れたまっすぐな瞳で見つめられ、言葉が出なかった

そして励まされたことを頭が認識するのに数秒かかった





「あっ、ありがとうございますっ…!!//」


「いえ、本当のことですから」




ふいと私に向けられていたまっすぐな瞳が前に反らされた

おかしくももう少し見ていたかったと思ってしまった


気が付いたら口が勝手に動いてた





「鬼灯様、私あの視察の時にh「月が、」…ぇ?」


「月が、綺麗ですね」


「ぇ、それは……//」


「っほら、早く帰りますよ!!」


「鬼灯様っ?!//」





前を足早に歩いていく鬼灯様の鬼独特な耳が少し赤く染まっているのは気のせい?





















I LOVE YOU

(なまえちゃんも鈍いよね、アイツ分かりやすいのに)

(独占欲が丸出しですからね)






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