SHORT

□小悪魔の魔法
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サソリside_





いまなまえはスーパーで鼻歌を歌いながら、あるコーナーを楽しそうに見ている。

あるコーナーってのは何か言わなくても分かんだろ?

今日は2月13日

…そう、明日は俺が待ちに待ったバレタンインデーってやつだ

甘いものなんざ大嫌いだが、なまえのチョコなら話は別だ

スーパーの卵コーナーの角から男2人(俺とデイダラ)がバレタンインデーコーナーをガン見しているのはさも滑稽だろう

…さっきから周りの奴らの視線が痛ェのはきっとそのせいだ

だが見てんのはコーナー自体じゃなく、なまえなんだから別にいいじゃねェか

なまえはそのバレタンインデーコーナーで先程から結構な時間悩んでいる

ホワイトチョコ手に取ったり、普通んチョコを手に取ったり…一体何を作るつもりだ?




「オイラはホワイトチョコh むがっ」




デイダラが何か叫びながら飛び出そうとしたので慌てて口を抑えながら止める


危ねェ……、なまえが一瞬こっち向きやがった

でも何とか気づかれてねェみてェで、また視線をコーナーに戻した

俺は安心して一息つき、デイダラの頭に拳骨を1つ落とす




「痛ェぞ旦那、うん!?」


「バレてェのか?!」

「だってオイラのために作ってくれるんだからオイラの好きな方を言った方がいいだろ、うん?!」

「いやお前のじゃねェよ。何が悲しくてこんな兄貴にチョコをやるんだよ。絶対俺だ」

「どっから来るんだその自信は、うん?!」




デイダラとコソコソ話していると、向こうで母親らしき女が自分の子供らしき子供の目を覆いながら足早に店を出て行っていた


…なんだ、俺たちのせいなのか?




「旦那!なまえがいなくなってるぞ、うん!?」

「何だと?!早く探しやがれ!!」




あぁ、明日が楽しみだ





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