連れ出しませう?

□4話目
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ある日_




「なァ、サッカーしようぜ!?」




ことは、この晴矢の一言から始まった




「また晴矢のサッカーしようぜ病か…、」

「恒例だよね」




呆れる風介とヒロトに、紗奈は首を傾げる




「何それ?」

「そのままだ。晴矢はたまに突発的にサッカーをしたがるんだ」

「あぁなると誰にも止められないのよ」




玲名と愛もまた呆れていた

そんなに酷いのだろうか

少しの間皆が無視をしていれば、晴矢は泣き出した




「サッカーしてぇんだよ!!!何で誰もしてくんねぇんだよォ!!うわぁぁぁあん!!!!」

「「はぁ…、」」

「はっ、晴矢…?」




これには紗奈もビックリである

あの晴矢がサッカーがしたいだけで大泣きなんて本当に驚くばかりだ

紗奈は背中に玲名たちの制止の声を受けるが、テトテトと泣きじゃくる晴矢の元に歩いていく

そして少し困ったような顔をしながら晴矢に手をさしのべる




「私とで良ければサッカーしよう、晴矢?」

「紗奈…!!」




晴矢は差し出してくれた紗奈の手を見ながら感動している
(後日晴矢はその時の紗奈をマリア様のようだったと語った)

すると風介たちが横から入ってきた




「紗奈がするならわたしも」

「あっ、僕も!」

「私もするわよ!」

「私も!」

「俺もしよっかな」

「いや、普通に酷くね?!」




…と、こんな感じで結局お日さま園の子どもたち総出でサッカー大会が開かれることになったのだ


チーム分けはこの通り


Aチーム_
晴矢

茂人
夏彦
善之
蔵人
    :
    :


Bチーム_
風介
クララ

修児
一角

寒太郎
    :
    :


Cチーム_
ヒロト
玲名
リュウジ

恭馬
    :
    :





「いつものメンバーだな!」

「私はどうすればいい?」

「ふむ、紗奈は人数が少ないヒロトのチームでいいか?」

「分かった!」




まずAVSBが始まった

しかし両者互角で、結局引き分けだった




「はぁ、また引き分けか」

「また?」

「うん。僕たちの力ってほとんど一緒で、普通引き分けなんだ」

「へぇ…、」

「そういや紗奈はサッカーしたことあるのか?」




玲名が聞くと紗奈は少し寂しそうに笑い、答えた




「兄さんとちょっとだけ!」

「!すっ、すまない」

「気にしないで!
ぁ、ほら試合だよ!勝ってこー!!」




玲名は聞いてはいけなかったことだと気づき、慌てて謝った

しかし紗奈は気にしないように無理に笑って見せたが、玲名にとってはその笑みで余計に心苦しくなる


そんな事には気づかず、紗奈はグランドに走っていった




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