連れ出しませう?

□22話目
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バーンside_





「痛ェ……」





あれから俺たちは手を組むことを決め、ネオジェネシス計画を発動させた


晩飯ん時、それをプロミネンスの奴らに言ったら殴られた
(主にレアン)

どんだけダイアモンドダストと手を組みたくなかったんだ?

…いや俺もイヤだけど、仕方ねェだろ?


そんで殴られた頬が夜になって腫れてきやがって、いま医務室に湿布もらいに行ってるとこ





ガラガラッ




「しっつれいしまーす。…って誰もいねェか。湿布はたしかあの棚に……」




この前はここにあったハズなんだけどな……


ガタゴトガタゴト
棚を漁ってたらやっと湿布が見つかった

……って温湿布かよ!!




『……………ぃ………』



「え?」





部屋の奥から小せェけど声が聞こえた

あり?奥にはたしかベッドしかねェハズだけど……


もしかして幽霊とかか?!

……覗いてみるか


恐る恐る足を動かし、声が聞こえた奥へと向かう

ベッドを囲うように閉められているカーテンを開けた





「…ロディー……?」





そこにはロディーがいた

電気は付いてねェから月明かりだけで照らされてて薄暗いハズなのに、苦しそうなその表情ははっきりと見えた

小さな拳で作られたベッドの皺は真っ黒の影をつくってて、どんだけ強く握ったのか伺える


汗ばんだ額

苦しげに寄せられた眉

忙しく上下する胸

…エロ

……じゃねェ!!!!





「……にっ、ぃさん………ごめ…なさっ………」

「!」





か細くも紡ぎだされた名前は俺がこの世で1番嫌いな奴だった

でもロディーは確かにアイツを呼んだ

アイツに助けを求めてる


なんでだよ

アイツはお前を傷つけた

アイツはお前から笑顔を奪った

アイツは……お前を変えた


お前は一体どんな夢を見てンだ?





「たすっ、けて…………………ゃだ………」

「…俺たちを…、呼べよな」





汗ばんだ額から前髪を払ってやる


そんなに俺たちは信用なかったのか?

ロディーにとって俺たちはどんな存在だったんだ?





「……今にも消えそうなのは昔も今も変わってねェんだな」





気がつくと消えてしまいそうで、
昔は目を離せなかったのを覚えてる


今は変わったんだと思ってた

けど全く変わってなかったんだな


変わっちまったのは俺たちだったのか?





「なぁ………紗奈…、俺昔も今もお前への気持ちは変わってねェんだ
追いつきてェのにお前はどんどん先に行く。好きな奴にいいとこぐらい見せてやりてェのにお前は俺を見てくれねェ
…………絶対紗奈を救ってやる、全部から。だからもうちょっとだけ待っててくれよな」





こんな時しか言えねェ俺は弱ェ、ただのバカだ

だから、強くなるから

そん時は俺に胸を張って言わせてくれよな
























もしキミに

(この気持ちを伝えることができたなら)
(キミは笑顔でいてくれたかもしれないね)





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