連れ出しませう?

□11話目
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練習場に着けば、あの4人が皆の前に立ち、先ほどのことを話し出した




「…俺たち、ロディーの兄貴に会いに行ったんだ」

「!ロディーの兄さんに…?」

「あぁ。…ロディーは父さんに昨日呼ばれたんだ
そこでロディーは、ロディーの母さんに死んだことにされている事を父さんから知らされた」

「「?!」」

「は?!ロディーを死んだことにしてんのかよ、あんクソババァ……!!!!」

「ネッパー、怒る気持ちは分かるが後にしろ」

「!わっ、悪ィ……」

「続けてくれ」

「うん。…それでロディーは不安になったんだ、兄さんは自分をどう思ってたんだろうってね。そこで父さんは提案した、会ってきてみたらどうか、って」

「父さんに呼ばれた後からロディーの行動がおかしかったってバーンから聞いた俺たちは直接ロディーたちに聞きに行ってみたんだ。そしたらこのことを聞かされた。ロディーは不安だからって俺たちも一緒に行くことになったんだ」

「兄貴はいたぜ。友達とすんげェ笑ってた。…それを見たロディーには《自分がいなくなったから笑顔なんだ》って思えたみてェで、急に大声出して頭抱えだしたんだ。…俺たち、行く前に言ったんだ、『ロディーなら大丈夫だ』とか…。…ロディーはそれすら嘘だって……」

「…それで今に至るわけだ」




4人の説明に皆が驚き、悩んだ

しかしウルビダやレアン…、あの日ロディーが初めてお日さま園に来た時に部屋にいたメンバーだけは違った




「…何故そんなに軽々しく言えるんだ……?」





「は?」

「何故そんなに軽々しく言えるんだと聞いているんだ!!!!」




ウルビダは立ち上がり、いつもでは考えられないぐらいの大声でグランたちに問いかける




「お前たちにとってロディー…、いや紗奈の存在はそんなものだったのか??!!少なくとも私の中ではそんなことなかった!!!」




ウルビダの言葉に、短気なバーンは反論する




「当たり前だろうが!!!紗奈は俺たちにとって本気で大切な奴だ!!!!」

「では何故そんなに軽々しく言えるんだ!!…答えろ…、答えろ!!!!!」




泣き崩れるウルビダ

アイシーやクララ、レアンたちは思わず駆け寄り、背中をさするなどしている

ウルビダの悲痛な叫びに、4人は顔をしかめた

しかしガゼルは俯きながらも声を振り絞った




「わたしたちだってどうすればいいのか分からなくて、今こんなことになっているのはわたしたちの所為じゃないかって、不安で押し潰されそうなんだ…!!」

「ガゼル……、」

「軽々しくなど言っていない!!いや言えない…!!しかしこう言わないとわたしが…!!!」

「……すまない、言い過ぎた。私ももう少しガゼルたちの気持ちも考えれば良かった」

「いや、わたしたちこそすまない…」

「…………私は兄さんたちが憎いよ」

「え?」




ウルビダの側にいたアイシーが急にぽつんと呟く

そして立ち上がり、アイシーはしっかり前を向きながら皆に投げかけるように話し出す




「あの頃だってそうよ!!紗奈が母親に虐待されてたのにアイツは何も知らないでのうのうと生活してた!!今回だって…、普通紗奈が死んだとか言われたら私はきっと一生笑顔なんかで過ごせない!!
…けどアイツはどうなの?笑顔で?結局アイツは紗奈を傷つけてばかりじゃない!!!」

「アイ、シー……」

「私は紗奈の兄さんが許せない…!!」



「…おっ、俺も兄さんが許せないよ!!」

「私も!」

「僕も…!」




アイシーの投げかけに、座っていたほかのメンバーたちも立ち上がり始めた




「絶対復讐してやる……!!」

「紗奈を苦しませる奴は、ッ私たちが許さない!!!!」




その瞳には何も映ってはいなかった








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