連れ出しませう?

□2話目
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幸次郎side_




その日学校から帰ってきたら、母さんがリビングで泣いていた

今日は一緒に宿題をする約束をしてたから、家に来ていた鬼道と佐久間と俺はは慌てて母さんに駆け寄る




「母さん!!?」

「幸次っ、郎…?」




すると母さんは嗚咽まじりにだが、たしかにこう言った




「紗奈が…っ、紗奈が行方不明に…!!」

「紗奈が…、行方不明…?!」




それからそれ以上に詳しく母さんに聞いてみると、こういうことらしい

紗奈と母さんは、あれから公園に遊びに行ったそうだ

すると紗奈が喉が渇いたと言うので、母さんが自動販売機に飲み物を買いに行って、帰ってきてみると紗奈はいなかったらしい




「……なんで目を離したんだよ…。なんでなんでなんで!!」

「!」




気がつくと俺は叫んでいた

頬に熱いものが流れるのを感じたが、それが涙だと認識するには数秒かかった

母さんはそんな俺を見て目を丸くしているが、そんなの知らない

ふと隣を見てみれば、鬼道や佐久間も泣き崩れていた

鬼道たちは紗奈が好きだったもんな…




「どこにいるんだよ、紗奈っ…!!」

「…もう一度警察に連絡してくるわ」




そう言って母さんはリビングを出て行く






それぞれの思い。

(母さんが部屋を出る時、)
(口元を歪めていたのは気のせい?)




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