ちびドラゴンは王子様に恋をする

□プロローグ
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 長いなぁこの行列。
 いつまでたっても少しも前へ進まない。
 
「全然進まないよね」

 前にいる男に話しかけても、ちらっとこっちを見ただけで無視されてしまった。まあそうだよな。初対面だし。
 俺は誰彼かまわず話しかける方だけど、世の中には人見知りがけっこう多い。朝の挨拶とかしてもスルーなんて当たり前。挨拶ってけっこう大事だと思うんだけど。

 あまりに進まないので白いロビーの手すりに腰かけて足をぷらぷらさせる。
 天井が高くて明るいけど何もない。このフロアから下の方に続く階段がいくつかあって、そこにもずっと行列が出来てる。行列は一つじゃなくて、六つくらいかな。ゲートもそれ以上あるっぽい。

「はい、お待ちの間にアンケートをお願いします」

 この施設の係の人だろうか。滑るようにやって来て紙とペンを一枚ずつ渡していく。暇なので受け取ると、それは本当にアンケート用紙だった。

『@生まれ変わったらどういう人生を送りたいですか?
A希望する能力はありますか?』

 何だこれ。
 よく分からないけど、暇つぶしにはちょうどいいかな。

 とりあえず@には異世界転生して楽しく暮らす。あと恋人も欲しい。とでかでかと書いてみる。それからAにはなんでもいいからチート能力と記入した。
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