1week

□H水曜日午後10時
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***



「ミサキ様!」


リックの声が聞こえる。

あれ…?
俺は今、どうしてるんだ?


視界はぼやけて、あちこちで叫び声が聞こえる気がするのに、自分の耳には全く響いて来ない。

赤い光も見える。
あれは何だろう、火事か?

それでこんなに暑いのか。

「ミサキ様!!」

再びリックの声

『どうしたんですか?』

すぐ近くで聞こえた声に、ようやくノロノロと焦点を合わせると、リックの心配そうな表情が目に入った。

「早く…早く逃げましょう。こちらへ」

リックが手に持ったマントを俺にかけてくれる。
あれ、何で俺…せっかくの兵士服がなくなってる。
暑いから脱いだのか?

『水…』

無性に喉が渇く。
リックの頬に光る涙の跡が見えた。
心臓が高鳴る。
火事とか、叫び声もどうでもよくなった。



水曜日、午後10時


俺は腕を伸ばしてリックを抱き寄せると、そのままリックの唇に自分の唇を押しつけた。
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