夢小説
□sweetdevil
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休み時間…
針谷に返さなきゃいけないCDがあったから、俺は音楽室に向かって走っていた。
授業が終わってすぐ…。
「早くしないとまた女子に見つかる…」
そうなると面倒だ。
貴重な休み時間を無駄には出来ない。
ガラガラー
「おーい、針谷いるかー。このあいだ借りたCD返しにきたぞ…」
「あっ!瑛くん!」
「な、…ちょっ。どうしてここにいるんだよっ!!」
目に入ったのはあからさまに動揺している針谷と、特に意識している様子のない美沙。
こいつ…相変わらず鈍感だな。
ほんの…。ほんの少しだけど針谷が哀れに思えた。
「どうしてって…。このあいだ針谷に借りたCDを返すためだろ。お前らこそ、なにこんなところでこそこそしてるんだよ。」
「べっ、別にコソコソなんて「新曲聞かせてもらってたのー♪」ちょっ、なんでいっちまうんだよ…。お前だけに特別だったのに…じゃねえよ!そういうことだからなっ!別にやましいことなんてなんもしてないんだからなぁ!」
「うるさい。針谷、声デカイよ。」
真っ赤になってぎゃーぎゃー喚く針谷をよそに美沙はふんふんと鼻歌を歌いだした。
「と、とにかく!美沙、新曲どうだった?…正直な感想を聞かせて欲しい…。」