楽園の物語

□なんだっけ・・・?
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ナンデダッケ・・・?
それがあいつの最近の口癖だ


「・・・なんで、お前はここにいるんだ?」

「何だでだっけ?」

本当にわからないのか俺にもわからない・・・
まぁ、そんなもんか・・・

俺が聞くとだいたいは”なんでだっけ”で終わらせてしまっている会話も多い・・・

「そういえば・・・なんでお前は俺なんかのところにいるんだ?そろそろ教えてくれないか??」

「・・・何でだっけな」

また・・・こんな会話・・・もう、あきた・・・
いっつもリンクは何でだっけなと言う時だけ俺に顔を見せない。それも俺の疑問

とある日リンクが話し掛けてきた

「ねぇ・・・ダークは俺の本当の表情・・・みたことあったっけ?」

「知らないな・・・第一お前が俺に見せたことあんのかよ??」

「ないかもね・・・」

口を隠しながら上品に笑いっているリンクはお茶を置いて窓の外を見た

「・・・ダークはそうやって聞くことしかしてないよね」

「・・・そうか?」

「うん・・・だいたいはね」

どういう意味かはわからないただ・・・リンクが寂しそうな表情をしていたのはわかった







・・・俺が何かしたって言うのか・・・?










こいつに嫌味なことは言った事はない・・・








「敵なのに・・・」

不意に言った言葉が俺の脳裏に響きまくった



”敵なのに”・・・・?









・・・どういう意味だ・・・









まさかこんなにもリンクが”なんだっけ?”って言っているのは俺が敵だからなのか・・・?


「・・・・・敵・・・だからどうした?」

「・・・っ」

また・・・俺は疑問形ばかり発していた

「・・・んで・・・っ」

「・・・?」

リンクは俺に顔を見せないように椅子から立ち上がった

「どうした?」

俺も飲んでいたお茶をテーブルに置き、立ち上がった

「来ないで・・・ごめん・・・ダーク」

「何で謝るんだ。訳が分からない」

「わからなくっていい・・・」

何もしていない・・・記憶には何もない・・・
リンクに嫌なことなんて・・・
ただ、いつも椅子に座りっぱなしで本を読んだり、こうしてリンクと紅茶を飲んだりしているだけなのに

「なんで・・・」

「何が?」

「・・・本当に何も知らないの??」

「だから、なにが?」

だんだんイラついてきてこぶしをつくってリンクに近づいた

「っっ!?」

俺が近づいたことに気づき怯えるような顔をしてとうざかった

「・・・」

「お願い・・・殺さないで」

頭を抱えながら蹲ったリンクは身体を震わせていた

 

なんで・・・




俺がこいつを殺そうとしたことがあるのか・・・??










記憶には無い


こいつの幻想だ
そう俺は確信した

「お前は多分夢を見ているんだ・・・リンク」

「・・・夢だって・・・?」

「そうだ」

「あれが、夢?笑わせないで」

「・・・俺がなにしたってっ!」

「なんでこの後に及んでまで隠すの!?」

いきなりポシェットからナイフを取り出し、俺に向けて言った

「ダークはいつも夜に俺を殺しに来るっ!!なんで?!なんでそんなことする必要があるんだよっ!!」

「そんなことした覚えはない!!だから夢だって言ってるんだ!分かれよ!そのくらい!!」

「嘘!!嘘言わないで!!」

そう言ってリンクは自分の腕を抑えた

「いい加減目を覚ませ!!リンク!!」

「目を覚ますのはお前だ!!ダーク!!」

押さえていた腕の裾を引きちぎって俺に見せた
そこは大きく抉り取られていた・・・
痛々しいほどに・・・

「こんな傷ができて!どう信じろって言うんだ・・・っ」

リンクは泣き崩れた

「・・・記憶には無かった・・・俺がお前にそんなことしたなんて・・・」

「そうだ・・・忘れていただけなんだ」

「・・・・・ごめん・・・リンク」

リンクをのこし部屋をでて庭であれこれ考えた・・・
この先どうすればいいのか・・・

そこで俺は一つの答えに辿りついた







”俺が死ねば・・・”






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しばらくして・・・
あいつは何してをるのだろう

そいつはまた・・・
”なんだっけ・・・?”
っつて・・・な・・・

























リンクは庭で俺の亡骸を見つけて泣いている・・・
なんで泣くことがある・・・?
お前を殺そうとしたかもしれないのに・・・




・・・・・・・・・
”ダークじゃなかったんだっ
      ごめん”




そのままリンクも死んだ・・・




お互いを信じなかったから
    しかたがなかったのか・・・?



”さあ・・・教えてくれ・・・なんで俺が違うって信じられたのか・・・”

”・・・・・・・・
      なんだっけ・・・”





      

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