dream
□君と同じことを考えてる
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「最低!!」
甲高い女の声と共に、乾いた音が響いた。
悲劇のヒロインよろしく涙をぬぐい立ち去った彼女を、さも興味のないように見つめる男がいた。
私の幼馴染、南沢篤志だ。
「いってー……。てか、そこに居るの△△だろ。出てこいよ」
「あ、ばれてた?」
「ばれてた」
そういって篤志は穏やかに笑ってみせた。
そうやって誰にでも愛想を振りまくのが篤志だ。
この笑顔は、私のじゃない。
さっきの人にも……
「ねえ、さっきの人って高校生じゃない?去年の」
「ああ、ミス雷門な」
「振ったの?」
「俺は付き合ってもいない」
初見の篤志は愛想がいいし、かっこいいしでとにかくモテる。
今までの告白された数は私が知ってるだけで、両手の指の数以上。
みんな、篤志に興味も無いような顔をされて振られて泣いていた。
ねえ、篤志。
今、私が篤志のことを好きって言ったら
篤志はどういう顔をするかな?
「ねえ、篤s……」
「そういえばさ。俺、△△に言いたいことがあったんだよな
俺と、付き合わないか?」
君と同じことを考えてる
‐‐‐‐‐
(う、うそだ!!)
(嘘じゃない)
唐突すぎて、心臓に悪すぎます。