dream
□フレテミル
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今日、はじめてキスをした。
あんなに京介が近くって
京介の呼吸とか
京介の吐息とか
京介の臭いとか
全部、全部が近かった。
最初、少しだけ触れたお互いの唇に驚いて離れたけど
再度ゆっくり重ねると
自分でも驚くほど安心感があった。
リップ音が響いて
離れたことが切なくてまた求めてしまう。
京介もそれにこたえてくれて
回数を重ねるごとに深く強くなるそれに
切ないくらい京介が愛おしく思えた。
普段の自分じゃ想像出来ないくらい京介をもとめていた。
そんな姿を
「円堂監督に見られたんだよぉぉぉぉぉ!!」
自分の部屋のベッドの上で枕に顔をうずめてバタバタした。
△△うるさい!!というお母さんの声
がしたけど無視の方向で!
今はそれどころじゃないんだって!!
ヴ―ヴ―
携帯が鳴った。
ディスプレイには京介の文字が。
「……も、もしもし?」
『あ……俺。まだ起きてるか?』
あ、京介なんか緊張してる?
「う、ん。どうしたの?」
『今まで、その……すまなかった』
「?なにがよ」
『っ…!それ言わせるのかよ!』
「いわないとわかんないよ」
『ちっ…その、キス…してやれなくて』
「……」
『△△…?』
「うんっ、ありがとうっ……!」
『俺、△△のこと、そのっ……好きだ』
「うんっ、私も!」
フレテミル
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そんなこと知ってるよ。
なんて思いながら
指で唇をなぞった