dream
□好きって言って
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「あ、剣城くんだー」
「今日もかっこいいなぁー」
前は近寄りがたい雰囲気を出していた京介は、最近ものすごく丸くなった。
つい数ヵ月前まで怖いとか言ってた人もいたけど、最近はそういう人も減ってきた。
かわりに京介に好意をもつ人が増えて、彼女の私としては正直不安。
「悪い、先に部活に行っててくれ」
「うん」
まただ。
今週で二回目の呼び出し告白。
「なに不安そうな顔してるんだよ」
「だって…」
京介から少し目線を反らすと、頭を軽く撫でられた。
「変な心配するなよな。すぐ行くから部室で待ってろ」
「うん…!」
待ってろよ。っていう言葉に一瞬嬉しくなるけど、すぐに不安が襲う。
いつまで京介は私を好きでいてくれるんだろうって。
京介の背中を見てると悲しくなる。
行かないで、行かないで…
「京介…!!」
「なっ、△△!?」
後ろから抱きつくと、京介は驚いて振り返った。
「…って」
「は?」
「やっぱ、不安だよ。京介が私よりかわいい子にとられるんじゃないかって…だから」
好きって言って
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(好きだ)
(あたしも)
(知ってる)
顔を上げたら、京介のくちびるが降ってきた。
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