企画

□甘い薬をちょうだい
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「熱っ」


こんにちは、私です。



お前誰?っていう質問は無しで!



ただ今、士郎の家でチョコフォンデュ中です。



イチゴを串に刺してぐつぐつのチョコのなかにぐりぐり入れてうわおいしそー!って食べた瞬間火傷しました。



痛い、これすごく痛いよね。




しつこいからほんとにうわーってなるよねー。



「ひはひ(痛い)〜」



「あーあ。チョコレートを欲張るからだよ?見せてみて?」




私はやけどした舌を士郎に見せた。




「らっれ(だって)〜」





「痛そう、真っ赤だね」





ぺろっ




「…ちょ、士郎!?」




「どうしたの?消毒しただけなのに顔、赤いよ?」





「し、消毒って…んっ、ふぁ」





開いた口から士郎の舌が入ってきて口内を侵す。




「んっ、はぁ。チョコの味がする」





「もう…ばかっ」





付き合って何年も経つけど、




士郎のキスに未だになれない私は士郎に背中を向けた。




「可愛い。そんな名前が好きだよ」




後ろから抱き締められ、穏やかな低い声が私の耳元で囁いた。




士郎に抱き締められた箇所からじんわりと暖かくなる。




顔も、耳もさらに熱を帯びていくのが自分でもわかった。




「そのっ…今年も、よろしくね」




「うん」




瞳を閉じると



彼のキスが降ってきた








甘い薬をちょうだい









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(ねぇ、来年のリクエストしていい?)
(ん?いいよ)
(チョコまみれの名前が食べたいな)
(なっ…!!)
(ねぇ、どうなの?)
(もうっ!それ、言わせる気!?)



 

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