Novel
□自称黒子っちの親友
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「黒子っちの親友やめる」
と言ってから二日、黒子っちはオレのこの発言を絶交ととったらしい。
話しかけても無視される。
そうゆー意味で言ったんじゃないのに…。
いや、でもそうか。
言われた方はそう受け取っちゃうか。
あー!もう!なんであんな言葉足らずなとこで携帯の電池切れちゃったんだろう!
おかげで電話も強制終了。
翌朝そっこー謝りに言ったけど既に絶交モードな黒子っちはガン無視。
このままじゃオレの片想いも終了しちゃう…どうしよう。
部活が終わり、スコアボード等を黒子っちと片付ける。
一軍では下っ端なオレの役目。
まだ教育係のポジションが抜けない黒子っちが手伝ってくれる。
無言で。
そして部室に戻り着替える。
無言で。
オレ泣きそっス…
ここはもう思いっきりいくしかない!
「黒子っち」
「…………」
「〜〜〜黒子っち聞いてよ」
「…………」
自分のロッカーのとこで黙々とYシャツを着る黒子っちの背後から、ロッカーとオレで黒子っちを挟むように両手を着く。
「ねぇオレの話し聞いてほしいっス」
「…………」
「くろっ」「わざわざ話しかけないで下さい」
「へ?」
「君は僕が嫌いなのでしょう?ならわざわざ話しかけない方がいいんじゃないですか?僕と話すと君に精神的負担をかけるんじゃないですか?」
こっちを振り返ろうとせずボタンをとめながら一気に話す。
あ……きっとこれは。
「お願い。オレちゃんと黒子っちに言いたいことあるからこっち向いて」
自惚れじゃないけど、
「嫌です。改めて面と言われると結構キツイので」
親友やめるって言葉に怒ってるんじゃなくて
悲しんでるんだ。
「だからそれは誤解っス。一昨日ちゃんと言えなかった続き言わせてほしいっス」
オレの真剣味が通じたのかようやく黒子っちがこっちを向こうと、体を動かしてくれた。
振り向いた瞬間、俯く彼の下から覗き込むようにして唇を合わせた。
「!」
ガタンッ
彼がオレを突き飛ばすのは分かってたから敢えて裏をかいて抱き締める。
すっぽり腕におさまるサイズ。
身長は小さめだけど女の子みたいに柔らかくない。
そう、黒子っちは女の子じゃない。
でもオレはさ
「黒子っちのこと好き。こうゆうこともこれ以上のこともしたくなるくらい大好き。これが親友やめるって意味」
嫌いになんてどうやったらなれるのか分かんないくらい、オレは黒子っちが大好きっス。
と言い、ぎゅっと両腕に力を込める。
言葉じゃ伝えきれないオレの気持ちが伝わりますように。
「…………った…」
「ん?」
小さく黒子っちが呟く。
「よかったです……黄瀬くんに嫌われてたわけじゃなくて本当によかったです…」
「あれ!?そこ!?オレけっこー今そこ以外に重大なこと言ったっスけど!!」
人の話しをちょっと流そうとするとこもけっこー好きだったりするんスけども。
「ええ。ちゃんと考えます。黄瀬くんのこと」
でも最後にはきちんと考えて応えを出してくれるとこも好き。
「とりあえず仲直りってことでいいですか?」
「ケンカしてたつもりはないっスけど…はいっス!!」
お互いまた笑い合えるようになってよかった。
オレはもう一度黒子っちを抱き締める腕に力を込めた。
fin