帝国図書館

□嵐の夜…
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………………だが……、そこに居たのは不審人物ではなく…………


木「………こんばんは………」



寝間着姿で、何故か枕を抱えた木乃香だった。


刹那「おっ、お嬢様っ!?………どうなされたんです……?」


時間が時間だけに小声で話す。


木「……んっ………ちょっと………」


何故かバツが悪そうに答える木乃香。

真冬の夜なのに、寝間着の上に何も羽尾っていないためか、身体が細かく震えている。


刹「…とにかく中へ……」

木「うん……」


木乃香を招き入れ、部屋の電気を点ける。
暗闇に慣れた目に、蛍光灯の光が痛いが仕方ない。


刹「……それで、こんな時間にどうされました?まさか不審人物でも……」

木「ちゃ、ちゃうよっ、そうやなくて………え〜と…………」

刹「?」


先程と同じ様にどもってしまう木乃香。
いまいち何が言いたいのかわからない。


木「…………笑わんでな?」

刹「はい?」

木「絶対に笑わんといてな?」

刹「は、はぁ………」

木「……………………………いんよ………」

刹「…へ?」



木「…………………………雷……………恐いんよ……………」


そう、蚊の鳴くようなか細い声で呟いた。


刹(雷が恐い?)


刹那「……………つまり、これから寝ようと思ったら雷が鳴りだして、恐くて眠れないから私の部屋に来た……と?」

木「(こく……)」


刹那の問いに小さく頷く木乃香。だんだんと顔が朱に染まっていく。

いくら極東最強の魔力の持ち主でも普通の女の子。
恐いモノの一つや二つくらいあるだろう。
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