帝国図書館
□嵐の夜…
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強い風音。
窓を叩く雨音。
雷による閃光と轟音。
それらが一々刹那の神経を刺激して、安眠を妨げる。
刹(参ったなぁ……、明日も学校だというのに………)
天気予報によれば、この嵐は一晩中続くらしい。
このままでは徹夜すること確実なのだが、そう思えば思うほど余計に目が冴えてしまう…………。
その時………
“……コンッ……、コンッ………”
刹(?)
今まで聞こえてきた音とは、明らかに違う音。
“…コンッ、コンッ……”
かなり遠慮がちにされているため、ノックだと気づくのにしばらくかかった。
刹(……こんな時間に………、一体誰だ……?)
先程も言った様に今は午前一時………。
消灯時間などとっくに過ぎているのだから、そうそう人は出歩かないだろう。
何か緊急事態かとも思ったが、それならあんな聞こえるか聞こえないか微妙なノックなどしない。
幸か不幸か、今の刹那は眠気などなく冴えきっている。
例え不審人物であっても、問題なく対処できるだろう。
愛刀「夕凪」を手に、玄関に向かう刹那。
ノブに手を掛け、身構えながらドアを開けた………………