帝国図書館
□嵐の夜…
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“――――次は今日のお天気です。今日は朝から昼にかけては晴れますが、夜には崩れて強風を伴う激しい雷雨になる模様ですので、注意が必要でしょう。続いては――――”
……そんな感じの事を、朝方見たニュースのアナウンサーが言っていた気がする……
夜と言っていたので、たいして気にする事無いと思っていたのだが………
刹(………まさか、これほどとは………)
只今の時刻……
午前一時……
普段ならばとっくに眠っている時間……………なのだが………
刹(……眠れない……)
刹那がベッドに入ってから、既に二時間以上………
その間、目を瞑っても身体の体勢を変えても、どうしても眠れないでいた…………
気休めにと思い羊を数えてみるも、300匹を数えた時点で諦めた。
別に何か特別な事をしたとか、変なモノを食べたような覚えも無いのに、いつまで経っても瞼は一向に重くなってくれない…………。
ただ……、いつもと違う事が一つ………
……部屋の窓のすぐ近くに植えてある木。
その木を大きく揺らしながら吹き荒ぶ強風。
その強風に乗って寮の外壁に叩き付けられる横殴りの雨。
その雨を降らせている積乱雲から放たれる雷光。
その雷光から一拍遅れて部屋に響く轟音。
……季節外れの嵐が、学園上空を通過中……