Long
□新たな受難の幕開け
2ページ/3ページ
―カチャ
「あ…骸(ガイ)様…」
「なにをしているんだ?由摩(ユマ)」
骸は部屋に戻るなり、奴隷の由摩の腕を掴んだ。
「私が戻るまで縄を解いてはならないと言ったはずだよ?」
「あ…いや、あの…水が飲みたくて…」
「水を飲むのは私が許してからだと教えなかった?…どうやらまだ躾が足らなかったようだね」
由摩の顎を持ち上げると、そのまま壁に由摩の顔ごと叩きつけた。
「ぅあっ!」
「悪い奴隷にはお仕置きが必要だな…」
頬骨を強打し、由摩は激痛に呻いた。骸は床に倒れている由摩の首をつかみ、ぎゅうぎゅうと締め上げた。
「ぅ…あ…っ骸…さ……ま…ぁ」
由摩はだらしなく開いた口元から涎をたらし、必死に許しを請うた。
しかし首の締め付けはだんだんと強まり、由摩はしだいに焦点が合わなくなっていく。
「苦しい?」
「…ぁ…ぐっ…あ―」
殺しはしない。息ができるかできないかの絶妙な力加減で由摩の気道を圧迫した。彼が意識を失う寸前で、骸は手を離す。
「っはあっ、はぁ、はぁっ…」
一気に酸素を吸い込み、由摩は思い切りむせた。骸は由摩の顎から首筋を伝う涎を舐めとった。
「あ…んっ…」
「お仕置きに感じてしまうなんて…お前の体は本当にふしだらに出来ているね…」
そのまま由摩の唇から自分の舌を入れ込み、彼の口内を犯す。
「んんっ…んぁ……はぁ…」
骸は唇を離すと、ボーッとしている由摩の髪を掴み、言い聞かせた。
「いいか、由摩。これからは無断で勝手なことをしてはならない。もし破れば…これくらいじゃ済まないよ?」
「はい…骸様」
「よしよし、いい子だ」
骸は由摩の頭を優しく撫でると、ベッドに横たわった。そして、命じる。
「由摩、疲れたから背中を揉んでくれる?」
由摩は大層驚いたようで、目を見開いた。
「い…いいのですか?僕みたいなのが骸様のお身体に触れても…」
「私がいいって言ってる。何度も言わせるものじゃないよ、由摩」
由摩は顔を赤らめ、そっと骸の背中に触れる。やはり奴隷にとって主人は、畏怖するものでもあるが焦がれるものでもあるのだ。由摩も例外ではない。骸の役に立てることに喜びを感じていた。