Long

□ありふれた日常
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『いいぜ。お前を俺の奴隷にしてやるよ。お前、名前は?』



「―――李鵜琵。相も変わらず眠そうだな…まぁ人のこと言えねえけど」

「うん、まあね。昨日の夜眠れなかった…昨日の臣は…すごかったから」

李鵜琵は来た頃とは百八十度性格が変わってしまった。最もそれは臣に対してだけなのだが。
しおらしく、甘えん坊の、なんとも愛しさ溢れる奴隷に成り下がった。

臣に心酔し、臣だけに従い、臣に抱かれ奴隷として愛されることに、充足感と幸福を抱く。彼が帰って来なかったときには、すねてしまい大変だ。

クールだなんだと言われる臣も、李鵜琵の前では気付くと獰猛な肉食動物と化している。不思議な関係に落ち込んでしまった二人だった。

「ねぇ臣、昨日新しい子が来たんだって。」

「へぇ…」

李鵜琵の髪を愛しげに鋤きながら、臣はさして興味もなさそうに相槌を打つ。この男は李鵜琵さえいれば、あとはどうでも良いのだ。



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