Long
□足掻きの末に
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「ん……ここ…どこ?」
目覚めると寿は薄暗い部屋にいた。見たこともない部屋。起き上がってみると
「―なっ、なに…」
自分が全裸でベッドに寝かされているということに気づく。両手は背後で纏められ、縄で縛られていた。
「どういうこと…?僕は…」
「目覚めたか」
扉が開き、部屋に人が入ってくる。
「あ……あなたは…………っ」
あのおぞましい顔が近づいてくる。
ここは賢神城ではない。笙国の中心「至南館」の最上階にある娃篦の寝室だった。
「お前を初めて見たとき悟った。お前は私の全てを癒してくれる、と……さあ、おいで」
「いやだっ…離して…っ」
「暴れると…ほら」
娃篦は寿の鼻に湿った布を当てる。
―また、この臭いだ…
寿はドサッとベッドに倒れた。嗅いだのは少量だったせいか、意識までは失わなかった。しかし全身が麻痺して指一本動かすことがない。
「そうだ…目も塞いでやろう。犯されるのを見るのは嫌だろう?私なりの配慮だ」
そう言いながら哇篦は黒い布で寿に目隠しをした。
「ああ、この時をどれだけ待ち望んだことか…」
いきなり哇篦は寿の性器を握る。ぐいぐいと強い力で握りしめられ、初めての痛みに喉を仰け反らせる。しかし動くと全身が痺れ、なんとも言えない感覚に襲われた。
「くっ…痛い……やめ…」
「私がお前の主人になるのだぞ。喜べ、毎日可愛がってやる…まずは刻印を刻んでおこうな?」
哇篦は性器を握ったまま寿の目の前に長く太い針を掲げた。
「…なに…するの……?」
「安心しろ。痛みは最初だけだ…」
言うなり哇篦は寿のそれを舐める。そして―――
「うああああ…っ」
哇篦は寿の亀頭にブスリと針を突き刺した。その場所から鮮血が溢れる。激痛は治まることなく寿を苦しめた。
「いた…いっ……やだぁ…っ」
針で開けた穴から哇篦は金の輪を通した。
「これでお前は私のものになった…」
ニヤニヤと笑いながら哇篦は次に寿の胸の突起を指先で弄る。
「あぁ…やめて、くださ……いっ」
哇篦はそこばかりを責めていたがそのうち指だけでは飽きたらず、そこにカリッと歯を立てた。
「あ…はぁ……んっ…ぁ」
寿の声質が変わりだした。鼻に抜けるような声で鳴く。
認めたくない。だが、自分がそれに感じてしまっているのは明確だ。
そのとき寿は思った。この手が亜蘭様の手なら、どれほど幸せだろう…