Long

□再び繋がった紅い糸
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それから約一月の間に、二人の間に出来た亀裂はより大きなものとなっていった。
最大の要因は李鵜琵が臣の行動に一切口出しをしなくなったことだ。


「ねぇ君らいい加減仲直りしなよ、見てる方がイライラするんだからさぁ」

豪がさも面倒くさそうにぼやいた。

「別に喧嘩してるわけじゃねぇ。…ただ、もう前のようには戻れないかもしれない」

「あっそ…もう勝手にして」

豪は愛想をつかしたようにプイッと顔を背けてしまった。

―みんな俺のこと、どんな目で見てるんだろうな…

哀れな奴だ、とでも思っているのだろう。悲しいが、今の自分は何より哀れだ。
―哀れ、で 愚か、だ。
自分でもよく自覚している。

脳内がグルグルと旋回し、臣がまた自己嫌悪思考に落ち込んでいた…そんな時だった。

「臣っ!」

凛が血相を変え、臣達の前に転がりこんできた。

「どうした?今日もまた一段と…」

「そんなこと言ってる場合じゃねぇんだよ!李鵜琵が…」

「李鵜琵?李鵜琵かどうかしたのか?」

問い詰めるが、凛はかなり動揺しているようで、話にならない。

「とにかく来てくれ!」

手をひかれるままに臣は走り出す。
その先にあるのは、医務室だった。

「なんで医務室なんか…俺は別にどこも悪くねぇよ?」

未だ状況が見えていない臣に凛が声を荒げた。

「お前じゃねぇ!…お前自覚ないのかよ…医務室ってきいて思い当たることはなかったのか?」

「そんなこと言っても…」

「いいから!早く中に入って確認しろ!」

凛が何について怒っているのかわからないまま医務室へ入る。

…直後、臣は硬直した。



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