赤ずきんちゃん
□赤ずきん
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「‥つくづく変な人しか居ないなこの森‥
いや、それ以前に人なのか?
さっき会った二人は不死身とか言ってたし、うん‥」
何やらぶつぶつ歩く赤ずきん。
もしかしたらこの森にはまともな人が居ないド変態の森なのではないか、と自己を追い詰めていた。
これならマダラお父さんの言っていた事を聞いておけば良かったかな、とちょっとした後悔もしていた。
「お?デイダラちゃんだ!」
「うん?‥でたっ!!狼!」
「でた!て何だよ!人をオバケみたいな言い方してよー」
「アンタ本当に不死身なのかい?」
「あ?何をいまさら、こっちは死にたくても死ねねーんだよ。困りまくりだっつーの!」
「死ねなくて困るってどんな悩みだ‥うん」
いきなり草むらから現れたのは先ほど出会ったばかりの狼だった。
後ろをつけてきたのか、本当にたまたま出会ったのかどうかはよく分からなかったが赤ずきんは呆れた視線で狼を見る。
「てかさ!デイダラちゃん、どこ行くんだよ?」
「オイラはこれからおばあちゃんの所に荷物を届けに行くんだよ!うん!」
「へー」
「反応うすっ!!」
「いやぁ、散歩とかだったら付き添えるかなー‥て思ったんだけど他の人の所行くんだったら俺は邪魔かなー‥て思って」
「要するに暇なのかい?うん?」
「そういうこったな!」
ニカッときぐるみの口から出た顔は笑う。
つられて赤ずきんも口元を緩めて笑う。
「じゃあ、ちょっとだけなら良いよ、うん」
「マジか!じゃあさ!キスさせてくれよ!!」
「は?」
満面の笑みの狼の顔とは反対に今まで笑っていた赤ずきんの顔は一瞬で歪んだ。
突然暇だと言って現れた狼にキスを求められたら誰でもこうなると思う。たぶん。
と、デイダラは冷静に頭の中で独り言を呟いていた。
「デイダラちゃん初めてなんだろ?安心しろって!俺のテクニックで俺なしでは生きていけない様にしてやっから!」
「やだやだやだ!!いいよそんなん!!全力で遠慮するよ!!うん!!」
「怖がらなくてもいいぜぇ?こう見えてもキスうめぇからよ?」
「うめーうまくないの問題じゃねぇよ!!うん!!」
必死の抵抗をしていても、いつの間にか両腕を狼に掴まれていたため振り回そうとしても出来ずにいる赤ずきん。
予想していたよりも力が強く、全くと言っていいほど振りほどく事が出来なかった。
「デイダラちゃんって全然力ないんだな」
「うるっさいな!!」
「抵抗してもこの森には俺が支配しているようなもんだからさ!誰も来ねーぞ?」
大人しくしてほしいな、というのを狼の目から訴えられた気がする赤ずきんは気にするもんか!と身体をねじって抵抗を繰り返す。
恐怖一色で染まった赤ずきんの目には涙があふれていた。
お構いなしに狼の顔はどんどんと近づいてきた。
「や、やだ‥」
「大丈夫だから、デイダラちゃん」
「お前ら何やってんだ?」
「「!?」」
突然二人の横に現れた一人の男の子。
それは先ほども急に現れて急にどこかへ去っていった人だった。
「うさぎさん!!」
「ゲッ、サソリちゃん‥」
「見るからに狼が赤ずきんを襲おうとしてたってか?バーカ!展開が早すぎんだよ!」
「そ、そういう問題?うん‥」
「いやぁ、待てなかったっていうかさー、あまりにデイダラちゃんが可愛かったから、つい?」
「なんで最後が疑問形なんだよ」
「うわーん!!ありがとううさぎさーん!!怖かったよー!!うん!!」
うさぎが現れた事により、パッと離された両腕を解き、うさぎに抱きつく赤ずきん。
泣きながら力強く抱きしめられて、うさぎは小さい子をあやす様に赤ずきんの頭をポンポンと撫でた。
「メチャクチャ嫌がってんじゃんかコイツ、だからお前はいつまで経ってもヘタレなんだよ」
「なっ!俺はヘタレなんかじゃねぇ!!」
「うっせーヘタレ狼が!」
「ううっ!」
さっきの勢いはどこに行ったのか、狼はうさぎさんに説教をくらって
ごめんよデイダラちゃん、と一言残して去っていった。
赤ずきんはうさぎの肩に顔を埋めたままだった。
だが、泣きやんだのか鼻をすする音も目立たなくなってきた。
「もう大丈夫だぞデイダラ」
「‥ん」
顔をあげたデイダラの顔は火照った様に赤く染まり、目も泣き疲れてトロンとしていた。
「‥」
「ありがとう、うさぎさん」
「‥ククッ」
「うん?」
「これは狼が手を出す理由も分かるぜ」
「‥ど、どういうこと?」
その後もうさぎさんは笑いながら赤ずきんの頭を撫でていました。
(可愛いとか何とか言われたんだろ?)
(‥‥い、いわれた‥うん)
(天然だなお前)
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まず飛段好きさんすいません
扱いが酷過ぎる!!←
このあと狼は普通に忘れて赤ずきんちゃんに話しかけて過ごしてます(^p^)