無題
□学校そして
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あれやこれやと散々だった中間テストの原因を考える。やはりあの居眠りがいけなかった。あれさえなければ…
「確実に上位狙えたのに…。」
一ヶ月間の俺の努力が。
教室の自分の席。窓側後ろから三番目で一人ふて腐れる。
しかしいくら考えても仕方がない。この際ポジティブに行こう!そう。過ぎてしまったことは仕方がないんだ!
と思考を切りかえ勢いよく顔を上げる。
ガツッ
「ぐふっ」
「ぃて」
自分の頭に何か固いものがぶつかった様な痛みが走る。
「って、岬?なにしてんだ?」
「いっつーー…、人が慰めたろか気を利かせよ思ってこの仕打ちとか…」
「初登場がこれだと報われないキャラに位置づけされそーだな」
「誰のせいや!ったく」
岬 誠は妙な関西弁もどきで喋りつつ自分の顎を抑える。
「ともかく、あんま落ち込んでなさそーやな」
「上位なら来月ある期末テストで挽回するから」
「まぁ居眠り無しでも上位は無理やとおもうけどな」
「励ます気なんてなかっただろ」
「てへ☆」
何かむかついたので岬の脛をつま先で蹴り飛ばした。
「――――――!!!」
「星を付けるな星を」
脛を抱えて悶絶する彼を見下ろす。
「…見たで張り紙。最後尾に堂々と!」
目に涙を浮かべながら彼は言葉を紡ぐ。そんなに痛かったのか。自業自得だ。
そして一つ納得いかないことだある。
「そのことなんだけどさ、
さっき教室でお前…赤点5個って叫んでたな。」
「あー、まあな。」
「なのに何故俺より順位が上なんだ?おかしいだろ!」
俺の順位は最下位。赤点は3個。しかしコイツ、岬 誠は5個ときた。全科目の半分以上だ。おかしい。コイツはバカなのに何故俺より成績がいい!?
「……。………フッ。」
岬が明らかなドヤ顔で俺を見下ろす。
うわ。すげームカツク。殺したい。
「ふふふ…何を隠そう、この俺は満点を取る天才やからな!」
「天才は赤点4つも取らない」
反射的に突っ込む。
いや、ちょっと待て。
……ん?
「満点?」
「ふふーん!」
親指と小指を折った手のひらを俺に向ける。それは3という数字を示していた。
「まさか3科目も!?」
「理数系は任せな!」
なんだこの極端な差は。
「ちなみに赤点の5科目は合計で9点!」
「極端すぎる!」
「聖徳太子覚えといて良かったぁ」
5科目合計一桁。しかも現代において存在していたのかすら疑わしい聖徳太子しかかけなかった奴に…俺はこんな奴に負けたのか。
「は…はは。よかったなー」
心なしか笑顔がひきつっていた。
「あ、そうや。忘れるところやったわ。」
「?」
突然思い出したかのように、岬はポンと拳を掌にのせる
「今日午後から運動場で能力テストあるってこと伝えに来たんやった」
「………へ?」
突然すぎる話の変更に、俺の頭上にクエスチョンマークが浮かんだ。