黒兎
□接触
3ページ/7ページ
少年は桂が行動するのを横目で見て、銀時を追う。
少年はすぐに追い付き、銀時の横につく。
銀時は少年の速さに目を哨ながらも距離をとった
。
そして銀時は足を止めた。
続いて少年の足も止まる。
「鬼ごっこはもう終わりか?」
「もうその必要はねぇよ。」
銀時は刀を構える。
少年はそれを見て傘を持つ手に力を入れる。
先に動いたのは銀時だった。
銀時は少年に刀を振り落とす。
少年はそれを横にかわし、腹に蹴りを入れた。
「ぐっ…!」
銀時は少し後ろに飛び、威力を減らす。
地面に足が着いたとき、少年は背後に回りこんでいた。
少年の傘での一撃が来る。
銀時はそれを刀で受け、二人の動きが停まった。
「本当にガキの動きかよ…。」
「だから夜兎だって…言ってんだろ!」
少年は刀を横に払い、次の一撃に空いている手を銀時の喉元めがけて突き付ける。
銀時はそれをすれすれでかわす。
そして逸らされた刀で少年を斬りかかる。
しかしそれすらも避けられた。
少年は銀時から距離をとる。
「やるね。」
「…。」
銀時は少年の武器の傘を見る。次に血に汚れ紅く染まった手に目をやる。
「てめぇか。敵味方関係なく殺したのは。」
少年は少し驚いた様子をして、すぐに表情は戻る。
「近づくなって忠告はしたんだけどね。」
「何故殺した?仲間だろ。」
「く…フフ…。」
少年は抑え切れず笑いを零す。
そしてスッと無表情に戻った。
「あぁ。そうだな。確かに仲間だ。それがどうした?弱い奴は死ぬ。それが此処(戦場)だろ。」
「仲間だろうが構わず殺す…そういう奴かい。」
「必要なのは強さだけだ。
他には何もいらない。必要ない。」
少年は銀時との距離を一気に詰める。
傘で一撃を食らわし、刀で防ぐ銀時ごと吹き飛ばす。
「チィ…」
銀時は地面と着地すると同時に向かってくる少年の攻撃をかわし、背後に回り込む。
そして刀で少年の背を切り付ける。
少年は攻撃をかわされると同時に瞬時に振り向き、銀時の攻撃を傘で受け止めた。
「何の為でもなく、ただ強さだけを欲する…ねぇ。」
「…。」
「いいんじゃねぇの?本人がそう言ってんだ。」
「…お前…何が言いたい…?」
少年は銀時を鋭く睨み付ける。