黒兎

□接触
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ガシャン


振り落とされた傘は侍まで届かず、寸前で刀に止められた。


なんだこいつ…重っ…。


小柄な体格に合わず、その一撃は重かった。
少年は止められた傘に目をやる。


「何で同じ人間を殺そうとする…?」


少年は顔を上げ、銀時を睨む。


「同じ…?」


少年の口から笑みが零れた。


「俺がか…?ふっ…くははっ…。

違うよ。俺は夜兎だ。
アンタらみたいな弱い肉体の生物と一緒にすんなよ。」

「てめぇも天人か…。」


少年の傘に力が入る。
銀時は傘にかかる力を横に流し、少年を後ろに横たわる侍から引き離そうと刀を傘に打ち付け、少年ごと吹っ飛ばす。


「おっと。…。
こんな弱い奴らの血が半分流れてるなんて、信じらんねぇな。」

「…?」

「なぁ、お兄さんは強いのか?」

「さぁな。自分で確かめな。」


少年は銀時が言い終わると同時に動き出した。


「ヅラァ!こいつを頼む!」
「ヅラじゃない桂だ!」


銀時は少年を後ろに横たわる仲間から引き離すために更に奥の方角へと走り出した。


 
 
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