黒兎

□撤退
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船は地面に墜落したが、低空飛行をしていたため無事上手く着陸出来たようだ。

着陸と共に余った衝撃が床に響く。

同時に敵から大きな砲撃を受けた。

外壁は打ち破られ、次々と敵が押し寄せて来る。


「鬼兵隊だ!」


誰かがそう叫ぶ。
その時、後ろから殺気を感じた。

背後から刀を切り掛かられた伊坐薙は銀時の刀から手を離し、『それ』から距離を取る。


「よぉ銀時。見ねぇ内にやけにボロボロになったじゃねぇか。」

「うるせぇ。おせーんだよ高杉。」

「仕方ねぇだろ。船が堕ちるのが遅かったんだから。
…お前、あのガキにやられたのか?」


高杉は銀時を嗤う様に見下す。

伊坐薙は新たに現れた高杉を睨んだ。


「話しは桂に聞いた。えらく強いんだってな?どんだけごついガキかと思えば…普通のガキじゃねぇか。」

「…。」

「銀時…まだやれるな?」

「ったりめーだ!」


高杉と銀時は刀を握り、刃を伊坐薙に向ける。伊坐薙は傘を握る手に力を入れた。


「鬼兵隊…。なるほど。こっちが本命ってわけか。」


高杉と銀時は同時に走り出す。伊坐薙は傘を肩の上に置き、様子を見る。

先に銀時が正面から切り掛かり、時間差で高杉が切り掛かる。

伊坐薙は銀時の攻撃をかわし、高杉の刀を傘で弾いた後、高杉の懐に入り込み腹を傘で突く。

その瞬間、銀時が横から刀を振り落とした。

伊坐薙は踏み込んだ足に更に力を入れ、それをギリギリかわす。

そして銀時の背後に回り込み、手を横腹に突き刺す。
「ちっ」
銀時は咄嗟に後ろを向き、血に汚れた手を横から掴み防いだ。


体勢を立て直した高杉がその隙に切り掛かる。

伊坐薙は傘でそれを受け止め、二人を後ろに流し、距離を取った。


二人は再び伊坐薙に切り掛かる。







 
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