黒兎
□違和感
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「報告は以上です。」
春雨本艦に戻った伊坐薙は陰津提督の元を訪れていた。
「結果はもう聞いておるよ。御主が到着する直前に連絡が入った。」
二人の間に妙な静けさが入る。
「そうですか…。なら詳しくは聞いているでしょう。
俺はこれで失礼します。」
後ろに向き、伊坐薙は出口へと向かう。それを提督は鋭く見つめていた。
「敵を殲滅せずに帰ってくるとは…全て神威の予想通り。
奴ももう潮時か…。」
思いの外早く使い物にならなくなったな
闇の中にその声だけが虚しく響いた。