黒星の小説とか。

□Please love me! ――ただし妹のみ――
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After Story



「――っ!?」

某日某所、午後十一時ぐらい。
とある街のとある地区にあるとある家の中のとある少女がいるとある部屋の中で、とある一人の少女が必死にとある何かをしていました。
少女は何かを感じ取ったのか、びくりと肩を跳ねらせて、身震いをしました。

「か、鍵をとりあえず五個さらに追加したけど、全然安心できない……!」

顔はまさに必死そのもので、一心不乱に鍵を取り付けています。なにが彼女をこうさせるのかを知る人は彼女しかいません。

「鍵を増やしても増やしても普通に入ってこれるのはなんで!? ていうか内側カギ閉めているのに!
 あの兄は大学で一体何を勉強してるの!?」

彼女の悲痛な叫びは誰にも聞こえません。聞こえたとしても誰も気に留めることは恐らくないでしょう。

「うぅ……。やっぱり監視カメラを買うしかないのかな……。店員さんからいよいよ危ない人だって思われかけてきてるのに……。
 このままだと私、警察に事情徴収されちゃうよ……」

彼女はそう言ってうなだれると、ベッドへ真っすぐ向かって布団を深く被って現実逃避に入りました。彼女のお小遣ももはや現実逃避したいほどのスピードで無くなっていきます。ちなみに防犯グッズ代に。

「神様、どうかいつの日かと同じように、安全な目覚めを私にください……」

彼女の戦いはこれから先も続いていくのでした。
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