ユンジェ

□Coquettish tone
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今日は皆それぞれのオフを自由に過ごした。
僕は実家に帰って双子の兄とゲームやらサッカーやらを満喫。
夕飯はジェジュンヒョンのご飯が食べたくて、
今日はゆっくり過ごすと言ってたジェジュンヒョンが居る筈の宿舎に帰ってきた。


ちょっと吃驚させてやろーっと、忍び足で電気の漏れているリビングに向かう…


ジェジュンヒョン、驚くだろうな〜♪


なんて悪戯心に火をつけた僕は、そーっと音がしないようにリビングの扉を開けた…


と、


同時に目に飛び込んできたのは…。



椅子に座るユノヒョン。


…とその膝の上に跨って向かい合わせに座るジェジュンヒョンの姿。



えーーーーユノヒョン、今日は友達と出かけるって言ってたのにー!

っじゃなくって!

わーわー何アレ?

ジェジュンヒョンがユノヒョンの首に手を回して、抱きついてるー!



かーーーーわーーーーいいーーーーー!!!(萌)



なんだか見てはイケナイ物をみてしまった気分だが…
僕は、好奇心から耳を済ませて二人の会話を盗み聞きしようと目論んだ。



「…でしょ?」



おっ、何か聞こえてきた!がんばるんだカリスマ僕!



「ジェジュア?」


ユノヒョンが、聞いた事もない様な甘い声で囁く。
僕は、あんなユノヒョン知らない…



ゆっくりとジェジュンヒョンの髪を梳かすその手つきも、表情も…
僕達には見せた事のないものだ。



なんか…恥ずかしくなってきた…



別に自分がしてる訳でもされてる訳でもないのに、とてつもなく恥ずかしい気分になってくる。




「…ユノぉ…」



ジェジュンヒョンもまた僕達には決して聞かせた事のない様な
甘えた声でユノヒョンの名前を呼ぶ。


僕は、自分の顔が赤く染まる音をはじめて聞いた気がした。



やっ、やばい…



冗談っぽく甘える事はあっても、
こんな風に身体も何もかも預けるようにして甘えるジェジュンヒョンの姿は…
心臓に悪い。



「大丈夫だよ、ジェジュン…大丈夫。」



ジェジュンヒョンの頭を撫でる手を止めずに、
もう片方の手はジェジュンヒョンの背中をポンポンと優しく叩いている。


何か、綺麗だ。


素直にそう思った。


僕の顔の赤みはもう、治まっていた。



「っうん…うん…」



小さな声で頷いたジェジュンヒョン。
暫く無言で抱き合う二人…

何分ほどそうしていたかは分からないけど、僕にとっては一瞬の事のように感じた。



「ジェジュン?こっち向いて。」



ふと、ユノヒョンがジェジュンヒョンの頭を撫でる手を止めた。



「…ん…」



そしてユノヒョンの肩から顔をあげたジェジュンヒョンは、泣いていた…




「また泣いて…目が腫れるぞ?」


「ゴメン、ユノのシャツ濡れちゃった…」


「そんなのいくらでも濡らせばいい。それでジェジュンが楽になれるなら。」


「ユノ…」


ジェジュンヒョンは、泣くのが嫌い。
だからホントに滅多なことでは泣かない。

泣きそうになっても唇を噛んで耐える。


その姿は逆に痛々しい…



けど…



ユノヒョンの前ではあんなに素直に泣けるんだ…



なんだかその事実に少し寂しくなったけど、
微笑んだジェジュンヒョンの顔があまりに綺麗だったから。



僕は、釣られて嬉しくなってしまった。



ジェジュンヒョンがどんな事で悩んで?傷ついて?
泣いてたのかは聞こえなかったけど、僕はそれでよかったと思った。
知らなくて良い事だと思った。


あんなに涙をひた隠しにしていたジェジュンヒョン、

ユノヒョンにだけ見せた綺麗な涙と笑顔。



僕は、やっぱり少し寂しい思いとなんとも言えない感情を抱えて、静かに扉を閉めた…



筈だった。










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