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□学園パロ ユンジェ
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「悪いけど、ジェジュンは俺のだから!」



嫌だと思ったのと同時か、それより早いかで俺の口は勝手に言葉を発していた。




「…え?」



驚いたのはその男よりもジェジュンの方だった。
大きな目をこれでもかってくらい見開いて…
薄く口を開いて、ポカンとしている。





「チョン・ユンホ君だよね?知ってる…ジェジュンサンの親友だって。」




…要するにただの友達なんだろ?
って事だよな?




「俺は、ジェジュンの親友じゃない、恋人だ。」




ハッキリとそう告げると男は…




「僕はちゃんと二人の事を知ってる。事前に調査だってした。
仲は確かに良いみたいだけど、二人が付き合ってるなんて話し聞いた事もない!!」



自信満々に言い切った。



大人しそうなタイプだし、気付かなかったけどコイツ結構厄介なタイプか?
放っとくとストーカーに成りかねない、そんな空気がプンプンする…




「ユ、ユノ…」



相変わらずポカンとしていたジェジュンだが、俺の袖をクイっと引っ張った。



俺はジェジュンの手を掴み、もう片方の手を素早くジェジュンの腰に回すと強引に引き寄せた。




そして…



俺はジェジュンにキスをした。




「…?!」



グッ、とジェジュンの腕に力が入ったのが分かった。



触れるだけの、掠める様なキスだった。




「こーゆー事だから、な?諦めて。」



俺はジェジュンに見えない様に威嚇するような眼差しを向けて男に告げた。


男は顔を真っ赤にしたまま、何も言わずに走り去って行った。




そして―



残された俺達は、未だ身体が密着した儘だった。
ジェジュンは完全に俯いて、その耳が真っ赤に染まっている事は分かるが表情は全く見えなかった。



勢いで、ヤリすぎちゃったかな?

ついつい突っ走る性格の為、後先を考えずに行動してはいつも痛い目を見る俺だ。


大体、そりゃいくら告白を断る為とはいえ…




「やっぱ、やだったよな?」




まだ何も言わずに俯いているジェジュン。




「ごめんな?ジェジュン。」



ホッペにキスする事は今までにも何度かあった。
じゃれあいの延長や親愛の証として。


けど、口と口ではまったく意味が違う。


これで、俺の気持ちはジェジュンにきっとバレてしまっただろう…でも…




「ジェジュン、俺ジェジュンが好きだ。友達してじゃなく、お前を…けど、こんな一方的にキスするなんて悪かった…ごめんな?」



ジェジュンがコチラにゆっくりを視線を上げた。




「ユノの…バカ」


「ゴメン。」



怒ってる様子のないジェジュンに少し安心するものの、
次に浴びせられる言葉を勝手に想像しては、心臓がドキドキと五月蝿く音を立てる。




「俺…はじめてだったんだけど…」



ん?



「へ?」


ユノの事は友達としてしか見れない…的な事を言われるだろうとドキドキしてた俺の心臓は予想外の答えには対応出来なかった。



「だから…っはじめてだったの…」



それは…二度言わなくても分かるけど…



「え、あ…ゴメン!」



俺のファーストキスを返せって事?
残念だけどそれは無理だーー!


俺も初めてだからおあいこって事で…なんて訳にはいかないか…


アホな事を悶々と考えていると…



「こんな所で、しかも人前でするなんて…っ!」



あんれえ?



「ちょ、ちょっとジェジュン?!それどういう…」



こんな言われ方したら、
俺とのキスじゃなくて初めての場所とシチュエーションが不満だ…
なんて俺に都合の良い解釈しかできなくなっちゃうんですが。




「…ユノなんて、知らない…」



まだ真っ赤な顔で、再び俯いたジェジュン。




「ジェジュン、ごめん。なぁ?こっち向いて?」


「やだ。」


「ジェジュア、好き…なぁお前は?俺の事どう思ってる?」


「…っ、そんなの…言わなくても分かってる癖にっ!」




ハレルヤ!

神様、ありがとう!!



俺は今すぐ叫びだしたい気持ちをグッと堪える。
充分だ。
マサカこんなにハッピーな結末が待っていたなんて!





「ジェジュン…もっかい、してもイイ?」




と問いかけると、小さくコクリと頷いてくれた。




「部屋、行こうか。」




ジェジュンの手を握ると、門の扉を開けた。


慣れ親しんだ、毎日空ける家の門だけど、


今の俺には輝ける未来へと続くとても神々しいモノに思えてならなかった。






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