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□学園パロ ユンジェ
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「あっ、あの!!キムジェジュンさん!!」




と、急に背後から男の声で呼び止められた。




「は、はぃ?」



条件反射なのかジェジュンは丁寧な返事をすると男の方を振り返った。
チラリ、と俺を見遣るジェジュンの様子から、
その男がジェジュンの知り合いでない事は容易に想像がつく。
俺は思わず身構えて、ジェジュンよりも一歩前に出た。




「手紙!手紙読んでもらえましたか?」


「手紙?えっと、もしかして今日の手紙ってキミが?」



ジェジュンが問いかけると、その男は顔を真っ赤にしてブンブンと頷いた。




「あ、まだ読んでないんだ…ごめんね?」




申し訳なさそうに謝るジェジュン。



「いっ、いえ!!いいんです、僕ジェジュンさんに言いたいことがあって…」



「あ、うん…なに?」



こんな明らかに着け来たとしか思えない、
名前を名乗る事もしない相手にもジェジュンは優しい。
その事実に少なからず苛つきながら二人を見守る。



「ぼ、僕…あのっ!ジェジュンさんの事が好きなんです!!」




あれ?

俺なんでショック受けてるんだろう。

この男がジェジュンに告白するだろう事なんて分かってた筈なのに。

今更、俺は何に…




「えっ…と…」




言葉に詰まるジェジュンに男は更に言葉を続ける。




「は、初恋なんです!」




…俺もだよ。




「付き合ってください!!」




そう、それは俺が言いたくて言いたくて、だけどどうしても口に出来なかった言葉だ。



今の関係が壊れるのが怖くて、臆病になってた俺なんかより、
この目の前の男は、ずっと勇気があって…真っ直ぐだ。




「…えっと…でも俺…」




なんて返事を返すか考えているだろうジェジュンに男はジリジリとその距離を縮めて来る。





「うんって言ってくれるまで、絶対に諦めません。」




俺だって、諦めたくない。


俺以外がジェジュンの特別になって、


ジェジュンと肩を並べて歩いて、


そして…ジェジュンを抱きしめて…



そんなの絶対に嫌だ。



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