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□学園パロ ユンジェ
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「ゆーのぉ!帰ろっ!!」



俺はチョン・ユンホ高校二年生。

目下、青春真っ只中!!


なんだけど…



「ジェジュン、もう準備したのか?早いな。ちょっと待ってな?」



最近とてつもなく巨大な悩みがある。




「急いで来たもん。…駄目だった?」




不安げに寄せられる眉毛、赤く色づいたぽってりとした唇。
まるで彫刻のように整った顔。意志の強い眼差し…



そう、



「まさか!ホラ、お待たせ!帰ろうか、ジェジュン?」



俺は目の前に居る親友に、惚れている。



「うん!」



いつからだっただろう。
コイツを守りたい…笑顔が見たいって思うようになったのは。



「今日、ウチ来るか?例のCD買ったんだ!」


「ホント?行く!」



最初は、ホントにただ友達として大好きだった。
だけど…いつからか、ジェジュンが俺に向ける笑顔や仕草一つ一つに心は乱され…
ジェジュンの笑顔を見ると幸せな気持ちになる自分に気付いた。




「あ…」



今ではもう、末期のジェジュン中毒だ。



「ジェジュン?また入ってたのか?手紙。」


「うん…」



そう、こんな事はしょっちゅうだ。
ジェジュンはモテる…ウチは男子校だから、
それがどういうことかは必然的に分かって貰えるだろう。




「…だれ?」




出来るだけ不機嫌なのは表に出さないように…
だけど、相手がどんなヤツなのか気になって仕方がないので思わず干渉してしまう。





「…?わかんない、名前書いてないし。」




ジェジュンは、誰か分からない相手からの手紙も、捨てない。
捨てないといっても、家に帰ってどうしてるのかは知らないが…
少なくともきちんと家に持ち帰る。


以前、なぜ持って帰るのかと聞いたことがある。
なんだかジェジュンが貰った手紙を大事にしているような気がして…
そう、要するにヤキモチからそんな事を聞いたのだが。


『だって、きっと一生懸命書いてくれたんだよ?
俺だったら…読んでもらえなかったら悲しいもん。』


と、マリアの様な笑顔を浮かべた。


俺はそんなジェジュンが大好きだ。


…だけど、そんな優しさを俺以外の…ましてや名前も知らない誰かになんて向けて欲しくない。
こんなの親友に、ましてや男に思うなんておかしいに決まってる。



何度も諦めようと、そう思った。
だけど…



「ユノー、肩にゴミついてるよ?」


「お、サンキュ。」



俺の隣でこんなに綺麗に笑ってるお前を、諦められる訳がなかった。



「…ユノ、何か…元気ないね?」



心配そうに、少し不安そうに覗き込まれた瞳。




「そんな事ないって!」



この笑顔を守りたい。
俺だけに見せて欲しい…



「なら…いいけど…」



そう言ったジェジュンの瞳が、寂しそうに揺れた気がした。



「ほんとに!なんでもないからそんな顔するなって、な?」



そう言ってジェジュンの頭をグシャグシャと撫でる。



「わ、わっかた…って、ユノ乱暴!」



乱れた髪の毛を直しながらもうやめてくれと言わんばかりのジェジュン。



「ははっ、ごめんごめん!」



またそんなジェジュンが可愛く思えて、
不機嫌だった俺の気分はそれだけで上昇した。
我ながら単純だがそれからは他愛のない話しをして、じゃれ合いながら俺の家に着いた。




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