華が舞い散るまで2
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『で、何故私がこの学校に…』
「それはやな、一氏さんにはどうしてもお願いしたいことがありまして」
机と椅子。椅子に座らせられた私の前には紙が置かれた。
見覚えのある紙は そう…
『編入試験申し込み書…』
「是非、我が校に」
『お断り致します』
「何故ですか、我が校にはいろいろ有利になる特典が付いているんですよ?」
『今の私が通っている学校よりも上の特典が付いているとでも?』
編入試験なんて受けなくても いろんな学校に簡単に入れる。
なのに、この学校は編入試験申し込みの用紙を出して来た。
この学校は 一氏ユウジ 私の馬鹿兄貴の学校である。
『こんな問題、私達の学校ではとっくの昔に終わってますよ』
蓮二と離れる位なら文句を言ってやる。
イメージが悪くたって、蓮二から離れるのは嫌だ。
私は蓮二が居るから良い子で居られるんだ。
「だが…君のお兄さんは君を心配して」
『心配されなくても、私はいろんな場所で良い成績を残していますよ。私の成績も見たんでしょう?』
「…」
『だから欲しいと…名門校の生徒が一人でも居れば、自分達の学校は有名になる』
「…大人に向かって」
『知識だけならアナタ方より私達、名門校の生徒の方が頭は良い。私は生まれたすぐ後から居ますよ。終わらない課題だって、スポーツだって あの学校で学んだことです』
「だが、我が校は」
『私が関西に居たくない理由がまだ分かりませんか?』
「う…」
『貴方たちみたいな身勝手な人達が居るから嫌なんですよ。私は好きで名門校に居るんです。場所が変わっても同じ。私があの学校から離れないのは好きでいるんです。兄と同じ学校にいる位なら何もかも捨てて死んだ方がマシだ』