華が舞い散るまで2
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『…』
「彩夜〜。愛してんで」
『大嫌い』
「そないなこと言うても、彩夜のことは分かっとる。俺んことが大好きでしゃーないんやろ?」
『うざい』
大阪に着いた。
蓮二と離れての行動だ。嫌なことはそれだけではない。
このシスコンと長く居なくてはならないということが彩夜にとって最悪な日々になるなんて、この時は何もわからなかった。
『邪魔。私は勉強しなくちゃいけないの。邪魔するんなら兄貴でも許さん』
「あ…兄貴やと!?ユウちゃんって言わんともう返事してやらんからな!!呼び方を直せ」
『呼ばないから別に良い』
「なんやと!?」
『関西のノリにはついて行けない。私は関東の人間だから分からない』
家に着いた途端にリビングのテーブルに山になるくらいの課題を広げた。
目の前をユウジがうろちょろしているのは言うまでもない。
『うざい』
父「ユウジ、彩夜の邪魔しぃなや」
『そうだ。そうだ、うざい塊』
ユウジ「かたっ!!お兄ちゃんは彩夜をそんな奴に育て『られた覚えもない』…」
『お母さん、明後日からテニススクール…大会だから』
母「はいはい。ユウジ、アンタ 部活は良いの?遅れるわよ」
ユウジ「彩夜、逃げた訳ちゃうからな。この話はまたや。俺が帰るまでな居るんやで?ええ子でお兄ちゃんの帰りを待つ「早く行け」うぅ…オカンのアホー!!」
猛ダッシュで家を出て行くバカ兄貴。
だらしがないな。そんなんじゃ、彼女の一人もできないぞ。
ああ…誰か拾ってくれないだろうか…。
『行ってきまーす』
母「行ってらっしゃい。光君に宜しく」
『はーい』