華が舞い散るまで2

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「貞治、彩夜は元気にやっているか?」



貞治「ああ、しているさ。実力テストはいつもの事ながら素晴らしい結果だな」



蓮二「そうか、それは良い。周囲の反応は?」



貞治「褒めちぎっている」



蓮二「ふっ」



貞治「お前の愛情もそこまで来ると異常だぞ?」


蓮二「彩夜を離したくないのに離されたんだぞ?」



貞治「分からなくはない。だがな…」



蓮二「ならば、貞治…お前が付き合っている人物を好きか?」



貞治「それは答えなくてはならないのか?」



蓮二「答えなくても知っている。だからこそ聞いている」




貞治「お前の考えと俺の考えは違う」



蓮二「それでは、答えが出てるだろ?」



貞治「彩夜を関西に帰らせない気か」


蓮二「当然だ。アイツは関東に居るからこそ、幸せになれる。関西に行けば不幸になるのが見え見えだな」


貞治「確かに…」



蓮二「貞治、見はれ」


貞治「すでに、それはお願いではないな」


蓮二「お前に被害が行くかもしれないぞ?」


貞治「仕方ない…なるべくな。こっちにいる間だけだぞ」


蓮二「関西に戻った時は無理だからな。財前に頼むさ」


貞治「ああ、じゃあな」






『うむ…』



杏「あまり考え込んでると落ちるわよ」



『う…うん』


杏「柳さんのこと?」


『関西に居られない理由を作れば、私はずっと関東に居られるって。蓮二の隣に居られるって…。でも、一体 何をする気だと思う?』



携帯のメッセージを見たまま、彩夜と杏が会話をする。



杏「嫌なことなのは間違いなさそうだけど?」



『それでも私は此処にいたい。だって、関東で育ったもん。いろんなことを教わった場所」



杏「家族が嫌い?」


『そうじゃない。ママもパパも大好き。でもね、私って一体何?誰かの思い通りに動くだけのロボットで良い?』



杏「彩夜…」



『蓮二のすることを私は知らない。けど、此処を離れたくない』




杏「柳さんの言う通りにすれば良い」



『蓮二…』


杏「彩夜が柳さんしか見えてないのはよく知ってる。これから悲劇が起こっても、貴女には、私も柳さんも乾さんも…。同じ場所を境遇した仲間がいる」



『杏…』



杏「不安なのは分かる。でも、貴女は自分で答えを見つけださなきゃいけない。それは…貴女が柳さんを取るか家族をとるのか」


 
 
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