華が舞い散るまで
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『…ん…』
「大丈夫か?彩夜」
『…蓮二は?』
「…」
目を覚ました後、彩夜はまず柳の名前を呼んだ。
その瞬間、顔の目の前にあった兄の顔が離れ、すぐ傍で座り込んだ。
白石「ユージ…」
小春「ユウ君…」
哀れな目で見つめている四天宝寺に対して、彩夜は柳に支えてもらい起き上がった。
「俺かて、心配したんや…」
『ユウちゃん…』
ピクッと反応したユウジ。期待の眼差しで彩夜を見つめていた。
『ウザい』
財前「彩夜、前より酷いなー」
『冷静だね…いつも』
財前「知っとる?彩夜、先輩な…彩夜に振り向いてもらえんくなってから小春先輩(男)に目移りしてん」
『ああ、聞いた。ホント…譲兄さんと良い…ユウちゃんと良い…』
ユウジ「ぐっ…」
『譲兄さんが浮気だ!!とか言ってたけど、よくよく考えたら、小春さんより譲兄さんのが正当だよね?なんでまた男に走ったの?譲兄さんなら快く「おめでとう」って言ってあげるのに』
雫「ちょっと待って!!そんなホモにしたいの?兄といとこを!?」
幸村「雫…もしかして…とは思ってたけど…」
雫「何?」
柳「城崎は女だぞ」
雫「え!?は?」
『昔ー。むか〜しのお話です』
柳「彩夜、それ以上、口を開いてみろ。今からあること無いことを幸村達に言いふらす」
『ああ…。過去は秘密って事?殴られ足らない?満足しない?』
柳「お前が一番輝ける方法だろ?」
『はんッ。他人にされたくないね』
柳「なんだ?不満か?過去の傷が原形が無くなるのがうれしいだろう。俺にはそう聞こえるな」
『大体、蓮二はいつも異常なの!!私の何が分かるって言うのさ』
柳「俺が異常なら、お前はもっと異常だ」
『何処が!!私は正常です』
柳「お前が正常なら俺も正常だ」