華が舞い散るまで
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雫「…」
翌日、まだ何も始まっていない時刻だった。雫はいつも通りに学校に来ていた。
今日は新入生歓迎会。
体育館では、生徒会と部長達が仕事をしていた。彩夜はパイプ椅子に座り寝ていた。
それに雫はカメラを向けた。
柳「何をしている」
雫「ちょっとくらい」
柳「駄目だ。彩夜は俺のだからな…写真を撮りたければ、俺に許可を得てからにしろ」
雫「しても…」
柳「駄目に決まっているだろう」
雫「くそ…」
『うるさい…』
少しは寝られると思っていたのに、周囲のざわめきで起きた。
すぐに三年生、二年生が入ってきて生徒会長と副会長が舞台に上がる。
雫「これより、新入生歓迎会を行います」
生徒会が一致団結となって、視界はスムーズに進んだ。
新入生歓迎会が終われば、生徒会は片づけに入った。
先生「一氏、話があるんだが」
『なんでしょう』
ぺラッと見せられたのは一枚の新聞だった。それも少し古い。
『これが何か?』
先生「これはどういうことだ。我々の生徒会に放火魔が居たなんてな」
『ああ、この記事は私も見たことがありますよ。確かすぐに消えたはずですが?』
雫「…」
記事の内容は酷いものだった。雫は絶句した。彩夜の昔話を一度も聞いたことがなかったのに、こんな形で知ってしまったことに言葉は出てくれはしなかった。
先生「放火魔は否定しないのか?」
『放火魔ではないと言ったところで、先生たちは信じますか?これ、関西では有名な話みたいですし、まあ、関西では、本当の話をみんな知っていますけどね』
先生「本当の話?」
『それが事実だとしたら、私は生徒会長を下されるみたいですね』
先生「当たり前だろ!!お前は立海を退学してもらう」
柳生「なら、此処にいる生徒会はみんな罪をわけられますね」
柳「たしかんしな。知っていようが、無かろうが、彩夜と共にずっと仕事をしていたからな」