その他

□「前向きになれば前向きな未来が描けるんだよ」J8
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「エイト、な〜に一人でたそがれちゃってるの?」


「ジャック…。てことはサボったのか。」

エイトの目の前ににひょっこりと顔を出すジャック。相変わらず呑気そうな顔につられて、笑みがこぼれる。

「なに。たそがれてるの?」

ジャックのおちゃらけた笑みが、エイトの黒い部分を溶かしていく。


「別に。なんだかバカらしくなってきた」

「話が見えないんだけど?」


「気にするな」


そういうと、そっか〜と高いトーンと笑みで返してくる。
それだけ。
なにも聞いてこない。


「なにも聞かないのか?」


右横にいる金髪を見つめる。
この髪色、髪質、どっかで似たようなのを見たことがある気がする。


「人には言いたくないことだってあるでしょ?だから聞かない」


またニコニコ。
本当によく分からない奴。


「優しいんだな」


「優しくなんかないよ。僕はエイトに笑っていて欲しいだけ」

「ふーん」




「なあ、なんでお前はずっと笑っていられるんだ?」


「笑ってれば、みんなも笑うから」


ふと、ジャックの顔色が変わった。
笑顔も、なんだか気にかかる。
どうかしたのか、と心配の色を見せると、俺の頬を、そのしっかりした指で触れてきた。

金髪の髪色が太陽に照らされて、黄金に見える。青い空の色がジャックの瞳に映しこまれてスカイブルーがちらつく。
ずっと見てると、その瞳に吸い込まれそうになる。


そうだ。思い出した。チョコボだ。
エースが必死になって育ててたチョコボに似ている。

とても弱っちくて、どの兄弟よりも小さかった、あのチョコボ。

可哀想で、抱きしめてあげたくなるくらい。
手を伸ばす。黄金の色へ。

ジャックが顔をうつむき、伸ばした手は空ぶる。

「笑っていてほしいんだ。笑顔で。暗い感じは嫌いなんだ。辛い顔は嫌いなんだ。真剣に悩む顔も嫌いなんだ。後悔する顔も嫌い。笑ってほしい。それだけが僕の願い。」

手首を掴まれる。少しだけ痛い。
力が強い。

「ジャック…」


「だから安心してるんだ。死んだ人たちの思い出を忘れること。みんな、泣かないでしょ?笑っていられる。僕達の隊長だった“クラサメ”って人のことも。多分一番の親しい人だった気がする。でも、忘れられる。だから…」

掴まれた手が徐々に緩む。


「ジャ、ック…」


「うれしいの」








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