その他
□俺の名前! アシュルク
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「おい、レプリカ」
「あー、はいはい」
アッシュに呼ばれても軽く流すルーク。
俺は今、俺の半身だという、アッシュと共に旅をしている。
何故こういうことになったのかは、はっきり言って自分でもわからないが、とりあえず共にしている。
「おいっ、話を聞けっ、劣化レプリカ!」
赤い髪が揺れる。
「……あんだよ」
「ちゃんと前向いて戦え!軸がぶれてる」
「……わるかったな」
モンスターと対峙しているときは…。
「なぁ、レプリカ」
「…はい?」
「戦う根性ねぇ―なら、とっとと逃げろ」
イラッ
「…わかった」
「レプリカ、ここは逃げるとこだろ。おい聴いてるのかレプリカ……レープーリーカ!!」」
「あ〜、もう、うる、さいっ!!」
体の向きを変えて、アッシュに思い切り詰め寄った。それもアッシュが一歩引くくらいに。思い切り耳元で叫ぶ。
「俺の名前はルークだ!レプリカじゃねぇ!!」
同じ髪の色をした彼は、拍子抜けした顔をしていた。いつもイカツイ顔をしてるくせに、なんだかはたから見たらおかしかった。
「確かに、アッシュの半身かもしんないけどさ、俺には俺の名前があるんだ!俺たちについてくる限り、その名で俺を呼べ!!」
言い終わるや否や、肩が上下に動く。口からは息が漏れ、なんだか眩暈がする。ここまで声をあげたのは初めてだったから。
周りにいたティアやガイ、ジェイドもきょとんとした眼差しで俺を見た。
「………わ、悪かった」
思い切り睨みつけてやると、弱弱しい言葉が返ってきた。
「よろしいっ!」
それからアッシュは二度とレプリカと呼ばなくなったとか。
end
→あとがき