clapping
□P'zシリーズ
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【SAD COMMUNICATION 〜辰馬Ver.〜】
宇宙を相手に、侍魂を貫くと。
そう誓ったあの日から、一体どれほどの歳月が経ったのか。
「アッハハハハハハハハ、久しぶりじゃのう!」
サングラス越しに見る世界は、暗くも濁ってもいない。
世の中は、まだまだ捨てたモンじゃない。
<That’s all 見えてない>
「金時、元気にしちょったか?!」
懐かしい、銀色の髪。
夜叉と呼ばれた、優しい獣。
わしの仲間、それ以上の。
「…オメー、それもうわざとだろ、ジャンプ回収騒ぎにさせたいんだろ?」
「銀より金のほうがめでたいきに。」
<欲しがってる いつでも 一瞬だけの出番でも>
「何巻ぶりじゃ?!」
「何巻ぶりでもどーでもいいから話聞けって、キントキじゃねーっつってんだろ、金魂なんてアニメ化できねぇぞ。」
<船酔いしないで 続けられるだけ Don’t you think so baby?>
「…エチケット袋だ。」
差し出された袋には、二重の愛が施され。
「おぉ、陸奥…おぇっ、おんしの愛を感じるのう」
広い宇宙に浮かぶ、狭い船の中。
わしの力の、見せどころ。
「思う存分暴れちゃるきに」
<Hey Hey ボケ倒す Non Non それだけでいい>
「あの、攘夷志士後方支援を担当しております坂本辰馬と申します!よろしくお願いします!」
<名刺差し出しつつ 大義終わるまで>
キャバクラのポイントも溜まってて
空気がうまくて
仲間がいる
この星は、何もないようで全てを集約してる。
「…金時、わしら何か大切なモンを忘れちょりゃせんか」
掌を見つめれば
「それはきっと俺の名前じゃないだろうか」
仲間の姿が、今も昔も、これからも。
「諦めるな 涙を流すな 心を閉ざすな」
「…ゲロを吐くなと名前を忘れるなも付け加えてくれねぇか?っつーか、付け加えろ。」
そう言い放つ友の声と拳が、わしに熱く語りかける。
言葉は、いらない。
<Wow…BAD COMMUNICATION>
〜Fin〜