Is じゃすてぃす!!

□3 瓜二つの3人
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私とテっちゃんが誠凛に入学して、数日が過ぎた。バスケ部に入るといったテっちゃんに不安を感じなかったといえば嘘になるけれど、けれど毎日登校する時にバスケ部の話をするテっちゃんは分かりにくい笑顔を浮かべるからとりあえず心配はなさそうだ。

そうしたことにより、私のテっちゃんへの歪んだ愛が発動した。
どうやらテっちゃんは同じ部活に『相棒』を見つけたらしく、それはもう私に大いなる萌えを与えてくれた。
名前は火神大我君というらしく、よしこれは見に行くしかないよね!と決意しテっちゃんのクラスへと襲来した。正しくはこっそりと訪れ誰が火神大我か観察してた。
ちなみにテっちゃんと私は違うクラスだ。くそう神はこの世にいないのか!

そして何度かテっちゃんに見つかり失敗を繰り返したものの、先日ようやく噂の火神君を目にすることに成功したのだ!

怖っっっ!!!!

私の目に飛び込んできたのは、帝光でデカブツに慣れていた私でもそれなりに驚く長身野郎。190ぐらいあるんじゃないだろうか?鋭い目つきに二つに割れた眉(これは笑う所なんだろうか)、炎の様な赤髪、長身と本人による威圧感は、肉食動物のそれを思い出させる。帝光中の時もいた『赤髪』を連想し、赤い髪の奴は威圧感だすお約束でもあるのか、と突っ込みたくなる。あいつはあいつで違う威圧感だったけれど。
え、ちょっと話違う!テっちゃんの話だと「天然で可愛い人なんです」と笑顔で言っていたテっちゃんが可愛いわ!!あれ話それた。
だがしかし見た目で判断するなど腐女子の名が廃る。私はそっと観察を続けると、かがみん(今考えた渾名)は一直線にテっちゃんの元へと向かった。やだなにこれトウンク。

その後は言うに及ばずというやつである。私は見事なまでに火黒という天使にノッカーウされ、次の新刊は火黒で決まりという所まで行き着いた。
あれは反則だよかがみん。テっちゃんが「火神君」、と呼びかけたらそのコワモテも一瞬の内にデレたよ。頬染まったよ。花飛んだよ。そして二人はクラスの人たちから温かい目で見られてたよ。
切実にB組に編入したい。一回転校しようかしら。

天使達の光景に想いをはせていれば、隣から聞こえてきた声によってそれは現実へと引き戻された。

「翔!妄想もそれほどにしなさい!」
「今からそれじゃあ会場いったらもっと凄いことになるよ〜」
「あー…ごめんゆず、さく。ついこの前のこと思い出しちゃって…」

えへ、と笑えば二人は似たような反応を見せた。

「え、何よそれ。ちょっとkwsk」
「ネタになるもの〜?」

おうふ。流石この食いつき!流石腐女子!
遅いけれど紹介。この二人は私が最近見つけた腐女子友だち。
気の強いこのくーるびゅーちーはゆずこと妹尾弓弦。私と同じクラスの美人な腐女子さんだ。残念だね!
ほんわかしたこの小動物はさくこと戸上さくら。なんとかがみんとテっちゃんと同じクラスの美少女な腐女子さんだ。羨まし…残念だね!
そして私とゆずとさくの腐女子三銃士は、今日とあるイベントに参加するごとく今とあるカフェで打ち合わせをしている所だったのだ。とある多いな。
今日私とさくは一般参加(さくもサークル活動をしていて、ゆずは買い専)なため、三人でどこのサークルさんに寄るかとか、好きな作家さんとか、所謂腐女子会をしていたわけだが、そこでついスイッチが入ってしまい妄想ワールドにエスケープし、今に至ったというわけだ。
きらきらした目を向けるゆずとさく。これは…答えないわけにはいかないでしょう!

「いや、実はね。この前テっちゃんとさくのクラス行ってみたんだけど」
「え、翔来てたの?声かけてくれればよかったのに〜」
「いやいやいや。腐女子は隠密の指令受けてるから。そこ私プロだから。」
「なんのプロよ…」
「ていうかさくいなかったし。で、まあ話戻すね。それでね………」

私は話した。先日見たもの、全てを。萌えと云わずになにと云おう、そのあますことなき天使っぷりを。

………話終えたあと。ゆずとさくは、先程の活発さはどこへやら、む……と黙り込んでしまった。
しかしこれは決して機嫌が悪いとかじゃない。
公共の施設で大きな声を我慢してるとかでもない(一応気にはしてるよ!)。

私はよーく知っている。これは…

萌えすぎて声が出ないのだ。

若干ぷるぷるした後、二人は一気に私の方へとギン!と視線を向けた。え、なにこれ怖い。

「ちょ………ずるい!ずるい!ずるいィィィィ!!!!どうして私を誘わなかったのよ!?そんな天使ワールドをみすみす逃すなんて!妹尾弓弦一生の不覚だわ…!!ああもう火神君も黒子君もマジ天使!!ていうか黒子君が!笑った!?デレひゃっほおおお!!!!クーデレごちそうさまですううう!!!!」

ゆずのキャラがアテンションプリーズ。
かなりあれな発言だが、一応声の大きさは絞っている。ここらへんを無意識にやってしまうのも腐女子だからなのだろうか。

「可愛い可愛い可愛い可愛いお持ち帰りィィィ!!!!トイレなんか…っ行くんじゃなかったっ…!くそう油断してた!!火黒安定夫婦あざーすとか思ってたっ…!まさかまだそんな超高校生級の萌え爆弾隠し持ってたなんてっ…!!うわあああ私の馬鹿あああああ!!!!」

さくはやはり同じクラスということもあって、そんな萌えシチュを見逃したのはとてもショックみたいだ。
て、いうかクラスで夫婦とか呼ばれてんのか。さくには後でそこら辺じっくり聞かせてもらうとしよう。
その後もずっと二人分と嫉妬と萌えをぶつけられ、そろそろイベント始まるよ、ということでカフェを出た。


クーデレ受けが好きなゆず。
可愛いものが好きなさく。
テっちゃん総受け主義の私。

私達三人をつないでいるものは、『腐女子』という生態と、『黒子受け』というひとつのカテゴリだった。





瓜二つの3人
(歪んだ鎖でつながれた、)(((テっちゃん/黒子くんまじ天使・・・!!)))

→腐友説明でござる
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