短編/お題
□葉
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私が変若水を飲んで三週間が経とうとしていた。
この三週間で変わった事と言えば、東国の女鬼の雪村千鶴様が屯所に来たこと。
逆に変わらない事と言えば、私への疑い。
まだ証拠が揃わないんだ。
それに私は変若水を飲んでしまった。
私が変若水を飲んだと一族に知られれば、一族は私を殺しに来るだろう。
そしてこの屯所に来る。それだけはどうしても、避けたいのだ。
死ぬわけには行かないのだから…。
それにもしも屯所に来たとして、確実に皆が殺られる。そう、あの人も――…
『もう…』
どうでも良いのだ。
疑いを晴らすことも、皆の前であの女の化けの皮を剥がすのも。
あの人を護れれば良いのだ。
どんなに嫌われようとも――…
(祈りも願いも捨てました)
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お題配布元→空をとぶ5つの方法様